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What Remains of Edith Finch(フィンチ家の奇妙な屋敷でおきたこと)

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What Remains of Edith Finch(フィンチ家の奇妙な屋敷でおきたこと)を遊んでいたので、感想を書きに来ました。
プレイ時間は3~4時間ほど。
体験する映画のような雰囲気のゲームです。

 

一言感想:物悲しくどこか不気味な“死”の物語。雰囲気は抜群。

 

 

あらすじ

物語は、一人の人物がフィンチ家の屋敷へやって来るところから始まる。
屋敷を探索する少女は17歳の『エディス』。
フィンチ家は短命の一族として知られており、エディスは現時点でフィンチ家で唯一の生き残りとされる。
彼女自身も11歳まではこの屋敷に暮らしていたが、当時屋敷の半分以上は立ち入りを禁じられていた。
エディスとなったプレイヤーは屋敷を探索しながら一族の辿った末路を追体験することになる。

ゲームについて

・日本語音声……なし
・日本語字幕……あり
・主人公……エディス。17歳の女の子。
・仲間……なし
・ゴア表現……グロはちょっぴり。
ただ、全編通して“人の死を追体験する物語”なのでずっと不穏ではあります。
・ホラー表現……そんなにありませんが、静かな家の中を一人で探索しながら家族の死について向き合うのは人によってはちょっと怖いかもしれません。

 

 

感想(※この先ネタバレあり)

※この先、画像含めネタバレがあります!

 

 

 

 

開始直後から色々な登場人物の名前が語られますが、どうもその人たちにはゲーム内で会えそうにはないと気づいてからは出てきた人の名前をメモするようにしていました。
子供の頃からどうにも横文字に馴染めず外国人の名前を覚えるのが苦手で……。笑

 

グラフィックとBGMが非常に綺麗で良かったです。
それから、文字が流れていく描写も。

しっかし各子供部屋の入り口がすごくお洒落でしたね。
ドアにネームプレートをかけるくらいならわかりますが、ひとりひとりに合わせた名前を扉に直接入れちゃってて……。

これでは世代交代した際に他の人が使えないじゃん、と思うような部屋の使い方。
まるで長く生きられない事をわかっていたみたいだな……と思ってしまいました。

 

フィンチ家の“呪い”が本当にあったものかどうかわかりませんが、遺伝性の病気というわけではなく事故死・原因不明の死・子供の行方不明など死因が様々なので呪いと表現されるのも仕方ないですよね……。
母の言うままに家を離れたエディスも(そして母親も)結局は若くして亡くなってしまったようですし、もし本当に呪いがあったのなら、屋敷ではなくフィンチ家という一族に対する呪いのように思いました。

 

ここからは特に印象的だった“死”について少し。

 

モリー

ウワーッ!怖い!
サ○ノーティカだ!!!!(深いトラウマ)

……ということで、初っ端に体験することになるモリーの夢の時点でメンタルがボロボロ。笑
そしてこのモリー、結局死因がはっきりせずかなり怖かったです。
「いなくなる前に」と日記に書いていたので自分が亡くなる事を悟っていたようでしたが、まだ10歳だったんですよね。
「みんなわたしがおいしいことを知ってる」という文面で終わった日記が不穏すぎて、え!?フィンチ家ってもしかして食人鬼の集まりとかそういうこと!?とビビり散らかしていたのですが、どうもそういうわけでもなかったようです。
死期を悟るほど症状の進んだ病気にかかっていたんでしょうか……?

・ガス

ガスは齢13にして赤髪&モヒカンだったので「レイダー予備軍だ!」と思いましたが、死因がとても切なかったです。
本当のお母さんが大好きだったんでしょうね……。
エディスがノートに描いた彼の似顔絵の寂しそうな顔がまた……。
ガスたち3人の実母であるケイは、エディスのノートでまだ木にくっついた葉っぱとして表現されていたので、フィンチ家と関係を絶った彼女は今もどこかで生きているのかな?と思いました。
彼女のように離婚をしていないフィンチ家一族の配偶者たちはみんな若くして亡くなっているようなので、“フィンチ家の一員”となることで短命になるのだとしたらとても怖いな……と思ってしまいました。

 

・グレゴリー

『花のワルツ』と共に描き出された、まだ1歳だったグレゴリーの死が……“死”なのに、とても楽しそうでキラキラしていて少し泣いてしまいました。
歳を重ねて涙脆くなりすぎてて困る。
小さな彼が最期に見ていたものが本当にこんな世界だったのならいいんですが。

・ルイス

ルイスの一件が一番怖かったかもしれません。
わたしもゲームばかりしていたらああなっちゃうかも。
……他に趣味らしい趣味もないのでやめられそうにないですが。

 

他にも、身体の一部だけを残して行方不明になったバーバラの事件については恐らく世間にも広く知れ渡ったでしょうし(有名子役だったそうなので)、まだ子供なのに突然行方不明になったミルトン、主人公たちが出て行った翌日に忽然と姿を消した90代の曾祖母など、明確な死因がよくわからない事件が多く、全体的にじめっと湿度の高い暗さと気味の悪さがありました。

そして最後に明かされる”冒頭でフィンチ家を訪れていた人物“の正体を知った時、ああひょっとしたらこの子も長くは生きられないのかな……と勝手に切なくなってしまいました。

 

淡々とした描写が続くのが逆にリアリティがあり、最後まで物語に没頭することが出来ました。