積みゲー崩しと備忘録のようなもの

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Life Is Strange 2(その2)

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上の記事の続きです。
4~5章とエンディング2種についての感想。

 

※この先、ストーリーのネタバレだらけの感想となります。
また、前作:ライフイズストレンジ(以下LISと表記)、無料体験版:キャプテン・スピリット(以下CSと表記)のネタバレも含まれますのでご注意ください。

 

 

 

感想(※この先前作と体験版含むネタバレあり)

エピソード4:信仰

 

 

3章での衝撃的なラストから2ヶ月の月日が経ったようです。
離れ離れになってしまった兄弟狼。

 

ショーン、スポーツもできる子だったし絵を描くことが趣味だったのに片目やっちゃうなんて……。
見えていたものが突然見えなくなったことから遠近感も狂い、絵を描くのがつらく苦しそうです。
病室にはキャシディからの手紙、祖父母からの手紙、そしてクリスからの手紙がありました。

クリスほんっとめっちゃくちゃかわいいな!!!!
どうか彼が無事に大きくなって幸せになれますように。
クリスパパもアルコール依存症が良くなってきてるんだ~。
本当によかったよ……。
クリスと彼のお父さんとはCSで2時間+LIS2で数時間ほど関わっただけの関係だというのにちょっと涙ぐんでしまいました。重い。

 

こんなところで片目を失った恐怖と悲しみに一人で向き合い、あんなに守ろうとしていたダニエルも居なくなり、ショーンはこの2ヶ月をどういう気持ちで過ごしていたんでしょう。

唯一良かったなと思ったのは、ショーンがこの入院生活でジョーイという善き理解者を得ていたこと。
話を聞いて彼に寄り添ってくれる大人が居て良かったです。
彼らに必要なのはやはり、ブロディや祖父スティーブン、ジョーイのように穏やかで子供の言い分もきちんと聞いてくれる大人の存在なのだなと改めて思いました。

 

ジェイコブ、イケメンな上にいい奴で良かった。
ダニエルの力を見てから挙動不審だったから、絶対この人何か悪い事やらかすやろと思っててすみませんでした(そして実際やらかしたのはフィン)

 

ダニエルの居場所についてヒントを得たショーンは病院を脱走すると言い始めました。
そ、それはやめといたほうが……!!
……でも考えを改めるつもりは無いようです。
うーん、進めば進むほどどんどん後戻りできなくなってきているような気が……。

 

脱走の方法かぁ。
見張りを殴るのもダメだと思うしあんなに優しいジョーイに罪を背負わせるのも違うと思います!

……ということで無理矢理窓から脱出させました。
他人事だと思って酷い事をさせるプレイヤーです。
いくらスポーツ万能ボーイと言っても落ちたら死ぬ上にショーンは今や片目が不自由なのよやめてあげて。

 

フィンが同じ病院に入院していたので起こして話しました。
わたし個人は「お前~!許せねえ!」と思っていますが、彼は逃亡生活を始めてからショーンとしばらく一緒に過ごしてくれた友人でもあります。
悩んだ末、許すことにしました。
……でも「ラブアンドリスペクトだ(キリッ)」じゃねーからなほんとに!
お前は~!💢💢💢💢
猛省しろよ!マジで!!

 

病院から盗んだ車で走り出すショーン。
コラーッ!(CVイメージ:おいで○す小田)
まあそうね、ネバダ行くなら足がね、ないとね……でももう立派な犯罪者だよショーン……殺人罪じゃないけどそれ以外のことについてはかばいきれないよ……。

 

シアトルでお父さんのエステバンさんと話していた時、「あまり運転が得意ではない」と言っていたショーン。
しかも今の彼は片目を失っています。
さらにそれで夜間運転なんて怖いだろうに……。

 

アメリカってどこもかしこも広そうなので、州の免許取得可能年齢になったらみんな免許取るんでしょうか。
ワシントン州は16で免許取れるんでしたっけ?

 

亡くなったお父さんとドライブ……というシーンではLISBtSのクロエのトラウマ悪夢を思い出してしまいましたが、今回は最初から最後まで穏やかで優しい夢でした。
「父さんに会いたい」と言って泣くショーンに貰い泣き。
本当に許せないですよ、あんな形で突然兄弟のお父さんを奪った上にこんな逃亡生活を強いる原因になった新米警官のことが。
クリスのように今も無邪気でいられたはずのダニエルはこの逃亡生活で大人にならざるを得ませんでしたが、それは16歳のショーンも同じです。
本当なら今でもまだ、兄弟喧嘩をしながらお父さんやライラ、学校の友達と遊んだり恋したり将来の夢を語ったり自由に過ごせていたはずだったのに。

目が覚めれば現実が待っていて、またしても差別的なクソ野郎に出会ってしまいました。
一緒にいた男性が「相手はまだ子供じゃないか。やりすぎだ」となんとか止めようと頑張ってくれていましたが、ショーンはダニエルのおもちゃを奪い返そうとしてボコボコに殴られてしまいました……。
父の母国であるメキシコの公用語スペイン語を馬鹿にされたりスペイン語で歌を歌うように強制されたりと酷い受けるショーン。
ダニエルと違い超能力を持たないショーンは理不尽な暴力に対してあまりに無力で、どうすることもできません。

 

トラックに乗せてもらうかどうかの選択が出てきた時は、つい先ほど理不尽な暴力を受けたばかりだったのでちょっと迷いました。
もしかして何らかの罠か?と疑いましたが、良い人で良かったです。

 

すみません、笑い事じゃないんですが爆笑しました
これもうダニエル絶対洗脳されてるでしょ!
ジェイコブ~!
ダニエルを匿ってくれたのは嬉しいけど一体何やってたんだお前は!

 

ショーンもう帰った方が良くない?
ヤバそうだよここ。

 

1~3章までほとんどずっとダニエルに寄り添う選択をしてきたショーン。
おかげでダニエルはショーンの言う事を良く聞き、「クリスに嘘をつくな」と諭せばその通りにしましたし、雑用や仕事を手伝うように言えば素直に手伝ってくれる良い子に育ちつつあります。
このダニエルならきっとショーンの言う事だって素直に聞いてくれる……!

 

……ま、ダメですよねえ。
そうですよねー!ははは!
拒否された上に締め出された!
あー、はい、もういいっす。
メキシコには一人で行こう、ショーン!(諦め)
……理性ではわかるんですよ、そりゃ10歳そこらの子供が数ヶ月もこんな環境に置かれて優しくされればそっちに心動いちゃうって。
でもショーンのここまでの苦労を思うとどうしても、さすがにいい加減にしろよと思っちゃう場面が多すぎる。
ショタコンにだって我慢の限界はありますよ。

 

その後、音信不通となっていた母カレンと再会。
非常によそよそしい雰囲気の中、2人で教会からダニエルを奪還する計画を練ることになります。

 

母親のバッグに避妊具を見つけた時の「学習したってことか」というショーンの皮肉っぽい呟きが非常に心にずーんときました。
ショーン、きっとお母さんがいなくなってから今までずっと色んなことを考えて悩んできたでしょうね……。
お母さんが失踪したのは8年前、まだショーンが今のダニエルよりも幼かった頃です。
父であるエステバンさんが最高の父親だったとは言え、理由もわからないままお母さんが突然幼い自分たちを置いて出て行くなんて相当な心の傷になったと思います。

 

8年も離れ離れだった母親がまだ自分(ショーン)の食の好みを把握していた、というシーンで流れる微妙な沈黙が非常にリアルでした。

 

ショーンたちの祖父母、つまりカレンの両親である2人は優しいものの厳格で伝統を重んじる“普通”の人たちでもあり、その“一般的に幸せと言われる普通の人生”を歩むように育てられてきたカレンはずっと苦しんできたのだと言います。
結婚、出産、社会の輪に溶け込んで生活することが幸せであると思い込もうとしたけれど、頑張ったけれど、上手くはいかなかった。

……うん、カレンの言い分もわかるんですが、「自分で決めて伴侶や子供を作っておいて、結局責任から逃げるなんて最低だ」とショーンが罵倒したくなるのもわかります。
幼かったショーンが「俺とダニエルがいるせいで母さんはいなくなったんだ」と思っていた事はあながち間違いでは無かったとカレン自身の口から証明されてしまった形ですが、わたしは『妻や母であることに疲れ、旦那や子供の存在が足かせになった』ことは認めつつも『それでも息子であるあなたたち2人やエステバンの事は本当に愛していた』という言葉をカレンから聞けたことは少し救いになるのかな……とも思いました。
足かせだったしずっと邪魔だった、捨てて後悔も一切していないと冷たく吐き捨てられるよりは、まだ……。
まぁそれだってわたしが『愛していた人に捨てられた』当事者でないから言える事なんですよね……。

“息子を捨てた”という後ろめたさからかあまり詳しく聞いてはきませんでしたが、カレンはきっと大事な息子であるショーンが片目を失明した事に対してとてもショックを受けただろうなと思いました。
壊れものに触れるようにショーンの手当てをするカレンの表情がつらかったです。

 

3章以来に再会したジェイコブは髭を剃って、随分身なりが小ぎれいになっていました。
オドオドしていて自信なさげで物静かなので目立たない子ですが、いい奴なんですよねー、ジェイコブって。
妹想いだし……。
……。
クリア後にエンディング分岐について調べて「え、ジェイコブルートはどうして無いの?」って思った同志はいませんか?
いない?
そっか……。

 

洗脳はともかく、同年代の子供がこれだけ周囲にいればこの2ヶ月間ダニエルは寂しくなかったでしょうね。
それだけは良かったと思えます。

 

エピソード4での選択はこんな感じ。

ヘイブン・ポイントに忍び込む際はどうしたら良いのかわからず、ジェイコブが親子連れに話しかけている横を真顔で通り抜けたのでジェイコブから「ショーン、何やってるの?見つかっちゃうよ!」とドン引きされました。笑
ジェイコブにお金を渡すかどうかは少し悩んだのですが、今までの経験上「そのエピソード中で稼いだお金や手に入れた物資はどうせ次エピソードで大して役に立たない」と思ったので譲ることにしました。
わたし個人がジェイコブに肩入れしているせいもあります。
今までダニエルに対してショーンの攻撃的な面を見せないように頑張ってきたおかげか、洗脳のとけたダニエルも穏やかです。
でもリスベスはともかくあのお供の男にはもうちょっと復讐してやりたかったなー!と思うのが正直なところです。
ショーンのことをあれだけボコボコにしたんだから、一発くらいぶん殴ってやりたかった。

エピソード5:狼たち

最終章。

久しぶりにダニエルが見慣れた髪型になりました。
髪型だけでなく、すっかり元の無邪気で可愛らしい弟です。
お兄ちゃんにくっついて眠るダニエル、とてもかわいい。

 

ショーンは少し髭が伸びたのかな。

 

サソリを浮かせていたダニエルを注意したらすぐにやめてくれました。
素直なまま育ってくれているようで良かった。

 

ダニエルはあまり絵を描かなくなったようですが、時々こうしてショーンのスケッチブックに絵を描いてくれるようです。
これはカレンとジョアンでしょうか。

 

ハンナは、言い方がきついけど良い人ですよねえ。
あんなことがあったのにショーンとダニエルへの寄せ書き?にもきちんとコメントくれているし。

 

アウェイのゲイカップル、スタンリーとアーサーは本当にめちゃくちゃ仲良しで、放っておくと延々と2人で喋っているので全部聞きたいわたしはしばらくここから動けませんでした。
無理なく会話が尽きない関係、良いですね。

 

再び仲良しになれた兄弟の交流が愛おしすぎてちょっと泣きました。
3~4章、わたしはどうもあまり好きになれずずっとしんどかったのでここでようやくほっとできました。

 

アウェイに来て何よりも驚いたのはもちろん……

この人との再会!
彼との会話は前作での自分の選択を思い出し、切ない気分になりました。
でも、彼の言葉でクロエが今もまだ生きている事が確定したのでほっとしました。
デイビッドのトレーラーハウスには幼少期マックスとクロエが描いたあの絵(プライス家の庭に置いてあった大きな絵)があるんですよ。泣いちゃう。
あの竜巻で壊れちゃわなくて本当に良かった。
ジョイスさんは亡くなった、とのことなので、やはりあの時ダイナー周辺に居た人たちは誰も助からなかったのでしょうね……。
ウォーレンやフランク(&ポンピドゥー)もあの場にいたはずなので、彼らも亡くなったんですよね……あー、わかっていたことだけれど心のどこかで「どうにか助かっていて欲しい」とも思っていたからつらいな……。
……ところでこれ、もしクロエが亡くなっている世界線だったらどうなっていたのでしょう。
デイビッドがジョイスさんを置いてひとりだけでアウェイに参加するとは考えづらいんですが……。

 

ちなみに、デイビッドのトレーラーハウスの中には現在のクロエとマックスと思われる写真がありました(あえてスクショなし)。
どうか、あの選択を後悔しない生き方をしてくれるといいな……。
そしてなんと、天井の方を調べていたらビクトリアがデイビッドに宛てた手紙を見つけました。
あの高飛車美人ビクトリアも生きてたんですね!よかった……!
心の傷は深そうですが、どうか彼女にも幸せでいてほしいです。
暗室は地下シェルターのような場所だったので、そこに監禁されていたビクトリアと助けに行ったデイビッドは助かった、ということなんでしょうか。
ビクトリア本人も手紙に書いていたけれど、あいつが事件を起こしたおかげでビクトリアとデイビッドが難を逃れる事が出来たなんて、本当に皮肉ですね……。

 

故意ではないとはいえ、最初に人を殺してしまったのはダニエル(の能力)。
ショーンは清廉潔白の身でしたが、逃亡生活の間に色々な罪を犯してきてしまいました。
普通の人生を歩めたはずの兄弟が指名手配の末、国外逃亡しないといけないなんてつらすぎます。

 

ぼろぼろ泣いたシーン。
とても好きなシーンです。
みんなただ自由に生きたいだけなのにどうしてこんなことになっちゃったんだろう……。

 

再び、兄弟2人で国境を目指します。

正直嫌な予感しかしませんでした。
そして恐れていた通り、2人は国境を越えられず。

 

うーわ…………。
今まで出会った人種差別主義者の中でも最悪の部類に入る女ですね。
そしてメキシコって正直あまり平和じゃない……どころか非常に危険な国だというイメージだったんですが、やっぱりその通りみたいですね……。
多分ショーンだって、知らなかったわけではないでしょうけれど……。
日本のような島国と違って地続きで国境がある国は移民問題が大変だろうな、と今までの人生でぼんやりと考えた事はあっても自分の生活とは無縁すぎるせいで思考停止していたので、このメキシコ人夫婦と自警団とのやり取りや本編で何度も直面した人種差別により色々な事を考えさせられました。
ライフイズストレンジ2は息抜きに遊べるようなテーマのゲームじゃなかったし、とてもつらかったけれど、得たものは大きかったと思います。
「自分には関係ない事だから」と考えないようにするのは簡単ですし、日本でどれだけ他国について考えたところで今は誰かの助けになれるような事は出来ないとしても、少しでも知識を入れておくことはいつか何かの形で支援できる機会が訪れた時に行動するきっかけにもなるんじゃないかと思うので。

 

警官を気絶させてしまった事に怯えるダニエル。
良い子に育ってくれて本当に嬉しい。
警察署内に居た追手たちは空き室?に閉じ込めました。

 

メキシコ人夫妻や自警団たちの檻も開けてきましたが、ショーンとダニエルだけではなく不法移民のメキシコ人夫妻も逃げ出したせいで警察無線に情報が入っていて少し後悔。
ひょっとしたら檻を開けない方が良かったのかも……。
白人ではないあの2人が、兄弟のお父さんのように警官に問答無用で殺害されないといいんですが……。

 

国境で警官やFBI捜査官たちに包囲されたショーンが、車内でダニエルに「散々しくじってごめんな」と言った瞬間ダニエルが首を横に振ったところでまた号泣。
ショーンがここまでずっと頑張ってきたことをプレイヤーは知っているし、それはダニエルにもきちんと伝わっていました。
ショーンとダニエルを見ているとどうしても日本のアニメ映画『火垂○の墓』が脳裏にちらつき、“兄が弟を護るために取った行動が裏目に出てしまう”展開の数々や、“そもそも最初にショーンが逃げる事を選択した事が間違いだったのでは?”という思いが膨らんできてしまってしんどかったので、ダニエルがショーンに護られていた事を理解した上でショーンの行動を間違っていないと認めてくれたことで救われた気持ちになりました。

 

エピソード5での選択はこんな感じ。

 

 

エンディング『贖罪』

国境を越えたいですよ。
そりゃそうです。
でも、前作LISのラストを思えば、このまま2人で無事に国境を越えられると思えないんです。
それなら……。
ショーンが本当に守りたいものを想うなら……。

……と言っても、『自首する』のも勇気がいりました。
もしまたここで容赦なく撃たれたらどうしよう……でも子供相手だし、ショーンが病院で会っていたFBIの女性捜査官はそんなに悪い人じゃなさそうだし大丈夫だよね……とドキドキ。

こうして、ショーンは逮捕されていきました。
『自らの人生を犠牲にしてでもダニエルを護ることを選んだ』のですね。

 

ずーっと号泣していたのにこの写真手前のクリスらしき影にちょっと笑ってしまいました。
ショーンがいなくなって沈んだ表情のダニエルと対照的すぎる。
撮影者はクリスのお父さんでしょうか。

成長したダニエルの隣に居るのはひょっとしてクリスかな?
ずっと仲良く育ってくれていたらいいな。

 

ショーン、15年で出てこられたんですね。
まさか警官殺して15年で済むわけないので、ひょっとしてその件については咎められなかったのでしょうか。
……他人事だからこんな風に言えますが、16から31までの大事な15年間を失ってしまったショーンの事を思うと……とてもつらい。
ショーンがずっと守りたかったダニエルが立派に成長していく写真たちがまた……とても泣けました。
ライラとカレンも来てくれていました。
クリア後に攻略情報を解禁して色々調べ、出所時にライラが会いに来てくれる条件についても拝見したんですが、わたしのショーンは携帯電話を捨てる前にしかライラに電話をしていないはずなんですよね(本来は祖父母の家に身を寄せている際もライラに電話をかける必要があるらしい)。
うん、でも15年経ってもライラがこうしてショーンを気にかけて会いに来てくれるシーンが見られて本当に良かったです。

 

あの頃、一緒に冒険してきた森で再び兄弟キャンプ。
キャンプを終えた2人は長いハグの後、別々の車に乗り込んでその場を離れました。
去っていくショーンに向かって大人になったダニエルが遠吠えをしているシーン、とても良かった。

でも兄弟がバラバラに帰っていくのが切ない……。
このEDでのショーンはどこでどうやって暮らしているんでしょうか……。
そして、エンディングではどのキャラクターにも台詞が無い為、ショーンがキャンプの途中で泣いた理由も見る人によって解釈が全然違いそうで上手いなと思いました。
ショーンが自分を犠牲にした事でダニエルが立派に成長してくれたことを喜んで泣いたのか、楽しそうなダニエルの話を聞いて自分自身の失われた10~20代を思って泣いたのか。
前者であってほしいなとは思うけれど、ショーンの本当の気持ちはわかりません。
好きな人や大事な友達と過ごすはずだった16歳にとって、15年という歳月が失われたのはあまりにも残酷なことです。

 

エンディング『離別』

どうしてもメキシコに行きたい、と願い“国境を越える”選択をしたショーン。
ショーンの傍で道徳性を学んだダニエルはもうこれ以上自分の能力で誰かを傷つけたくないと動揺し、ショーンと共に行くのを拒みました。

この展開はまったく予想外で、ええ!?と声を上げてしまいました。
ダニエルが優しい子に育った結果選んだのは『兄との別れ』と『自分を犠牲にした兄の幸せ』でした。


思えばずっとダニエルはメキシコ行きを不安がっていました。
まだ幼いダニエルも、ひょっとしたら“メキシコは楽園のような国というわけではない”ことを知っていたのかも。
その国へ行けば、生きていくために誰かを超能力で傷付けることになるかもしれない。
そもそもアメリカで大小さまざまな罪を犯して誰かを傷付けてきたという事実も今更変えられない。
もうただのお子ちゃまではないダニエルは、そういうことをとっくに理解していたのかもしれません。

『贖罪』ではショーンが手錠をかけられてもダニエルはまるで保護されるように肩を抱かれて連行されて行きましたが、こちらのエンディングではダニエルの能力を目の当たりにした警官やFBI捜査官が一斉に幼いダニエルへ銃を向け手錠で拘束したのが印象的でした。
兄弟が道中で起こしてきた不可解な事件の実行者(=警官殺しの犯人)を理解したからかなと解釈していましたが、ダニエルはどうやら逮捕されることは無かったようです。
ちょっとだけ調べてみたところ、アメリカは未成年であっても法で裁かれたり数十年服役したりすることもあるようなので、ダニエルがそうならなくて本当に良かったなあと思いました。
ただ、最初の事件(エステバンさんが射殺された事件)の日の事をまったく覚えていないダニエルが取り調べでどういう対応をしたのか少し気になります。

 

兄のいないクリスマス。
祖父母が犬を贈ってくれたようです。
名前は『ショーン』か『マッシュルーム』かな……(アメリカ映画等で大切な存在を失った場合、ペットに同じ名前を付けて可愛がる事が多い という先入観があります)

 

6年後、兄弟で旅をしていた頃の兄と同じ16歳になったダニエル。
母・カレンと電話をするダニエルの足首にはGPSが装着されているようです。
海外では性犯罪者にGPSが付けられると聞いたことがありますが、アメリカでは性犯罪者だけでなく仮釈放中の人等にもGPS装置が装着される事例があるそう。
これを装着している人は現在位置を監視され、対象者が移動を許可されている地域を離れると警察当局へ通知されるとのこと。
カレンに会いに行ったり車を買ったりはしているようなので一切外出禁止というわけでは無いようですが、監視されている以上今後ダニエルがプエルト・ロボスへ行ける事はきっと無いのでしょう。

わたしの操作するショーンの選択ではキャシディとキスはせず恋人関係になっていなかったはずですが、メキシコに行ったショーンの傍にはキャシディが居てくれているようです。
“キャシディやフィンは特定の人間といつまでも一緒に居てくれなそう”という勝手なイメージがあったせいで彼らと親密になる事に反対していたものの、この写真を見てホッとしました。
メキシコでショーンが笑顔でいること、その隣に誰かが居てくれる事が何より嬉しいと思いました。
2周目やパラレルワールドプレイでキャシディやフィンのことをもっと良く知りたいな、とも思えた瞬間でした。

でも……1年弱の逃避行でショーンは確かに片目や色々なものを犠牲にしてきましたが、旅の果てに選んだ結果が“弟・ダニエルのいつまで続くかわからない不自由” ”恐らくもう二度と会えない兄弟”であるというのも……やっぱり残酷だなと感じて素直に喜べませんでした。
ダニエルに不思議な力があると警察に知られてしまった以上、彼がもう二度とこの能力を悪い事に使わないと誓っていてもそれを信じてもらえる保障はありません。
ダニエルに対する監視はもしかすると今後一生続いていくのかも……と考えると、これも悲しいエンディングだなと思いました。

終わりに

公式サイトのファンキットで公開されているアートワークの、夕暮れの中を歩く兄弟の絵がとても好きです。
クリア後に眺めていると泣けてきます。

 

前作はまだ、マックスが力を得た事には大きな意味があると思えたし、彼女の力があったことでクロエやマックスのことも救えたような気になれたんですが、今回はどう頑張ってもショーンとダニエルがこんな目に遭ってしまう事がただただ可哀想でしんどかったです。
彼らは運命の分かれ目となったあの日も、ただいつもの日常を送ろうとしていただけだったのに。

 

メニュー画面にはずっとシアトルの自宅が映っていましたが、クリア後には家族3人で過ごしている様子が映し出されるようになってまた泣きました。
ひどいことしやがるぜ……。

 

正直物凄くしんどかったですが、2周目やパラレルワールドプレイはまた遊んでみたいなと思っています。
ダニエルに対する接し方・彼を道徳性の高い子に育てたことについては後悔していないので、2周目で“選んでいない事を試す”ということはダニエルに冷たい態度を取り続けるということでもあるので今から憂鬱でもありますが……。

 

ここまでお付き合いくださり、ありがとうございました。
前作と同じく容赦がなくて心が削られるけれど、色々考えるきっかけになる素敵なゲームでした。