積みゲー崩しと備忘録のようなもの

ひたすらゲームの感想を残すブログ

Chernobylite

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前回記事にスターありがとうございました🙇‍♀️!

急にめっっっちゃ寒くなりましたね。皆様体調崩されてませんでしょうか。

今回記事は「Fall○utの建築っぽい事が出来る」というレビューに惹かれ、先日steamで購入していたChernobylite(チェルノブライト)をクリアした感想文です。
※近年の世界情勢で思うところあり、当記事ではチェルノブイリは全てチョルノービリと記しています。

 

一言感想:あなたはあなたであり、同時にあなたではない。

 

あらすじ

約30年前、チョルノービリ原子力発電所で働いていた科学者 イーゴル・ヒミヌク教授。
例の原子力発電所事故の頃に婚約者であるタチヤナが行方不明となり、その後イーゴルは原子力発電所のあるプリピャチから離れて生活していた。
ところが、ある日突然イーゴルの元にタチヤナを映した写真が送られてくる。それを見た彼は、依然放射能汚染によって立ち入り禁止区域となっているプリピャチへ戻り、タチヤナを捜すことを決意するのだが……。

ゲームについて

チョルノービリ原子力発電所周辺を舞台としたSFサバイバルホラーRPGゲーム。製作したのはThe Farm 51。ポーランドの会社だそうです。
色々てんこ盛りですが、メイン要素は恐らくSF。
サバイバルは難易度が低ければ困るのは最初だけで、後半は物資が余ります。
ホラー要素は結構多め。異形の怪物が出てきますが戦う手段はあります。時折脅かし系や心霊現象っぽい演出もあるので極端にホラーが苦手な方は注意が必要だと思います。

 

基本的には、その日出かける場所を選択(1人1ヶ所を担当)し、探索してミッション目標を達成したら帰宅→仲間と話したり拠点に家具を置いたりして就寝 の繰り返しです。
探索先には兵士や異形の敵が居り、日数が進むほど数が増えたり強力になったりしていきます。

 

・日本語音声……なし。ロシア語(と設定画面には書いてあります。チョルノービリ原発は現ウクライナに位置する&主人公はウクライナ人とのことなのでひょっとするとウクライナ語なのかもしれませんが、教養のないわたしには判別ができず……)or 英語のみです。
・日本語字幕……あり。かなり精度の高い意訳だそうです。
・主人公……イーゴル・ヒミヌク。行方不明の婚約者を捜す科学者。
・仲間……探索先でメインミッションをこなしていく事で最大5名の仲間に出会えます。ただし仲間たちとは基本的に別行動となります。
・ゴア表現……あり。銃やナイフを使った戦闘があります。ナイフでのステルスキル描写がややエグめ。設定から無効にできるようです。

↑体力が減ると画面が真っ赤に……。

実際にチョルノービリ周辺で撮られた写真を元に3D化しているそうです。例の事故に関する写真を見た事のある方であれば恐らく見覚えがあるであろう黄色い観覧車や遊園地の残骸もあります。
全体的にとても真面目な雰囲気のゲームです。

全実績解除で、クリア時間は40時間ほどでした。
とある独自システムによりエンディングや他分岐を見る手間がかなり軽減されているのが有難かったです。

 

+ゲームプレイに関するちょっとしたTips(ネタバレ防止のため反転)

→【ゲーム序盤にとある場所で「30日を超えると云々」という話を聞くため時間制限があるのかと思いましたが、30日以上探索をしても大丈夫なようです。わたしは32日目にクリアしました。

→【途中で仲間と喧嘩して仲間が離脱してしまっても、チェルノブライトを使って過去を改変すれば戻って来てくれました。関係性が『悪い』以上であれば基地に留まってくれるようです。

感想(※この先ネタバレあり)

※この先はスクリーンショットも含めネタバレがあります!

 

 

くぅ~w疲れました!

色々と試行錯誤して、仲間たち全員と発電所侵入→全員生存状態でクリアすることが出来ました。
各イベントはチェルノブライトのおかげでいくらでもやり直しがききますが、発電所侵入作戦は配置する人員や他イベントでの選択も重要になってくるのですね。

 

クリアしての率直な感想はFall○utというより地獄のライフイズス○レンジでした。まぁライフイズ○トレンジも地獄なんですけど……。

ストーリーが文句なしに面白かったです。
特に夜に聞ける仲間たちとの会話・タチヤナに呼ばれて向かう過去の思い出探しには上手に史実の事故の事も織り交ぜられており、そこに生きていた人々、今も生きる人々の悲しみや怒りにも改めて目を向けるきっかけになりました。

 

普段まったく聞く機会のない国の音声はとても新鮮でした。
単語さえわからないので「なんもわから~ん♪」状態なのですが、自然な巻き舌がかっこいいですね。
ただ、本当に聞き慣れない言葉が続くので40時間遊んでも覚えられない言葉が多かったです。まず今回の舞台となった『プリピャチ』も日本語だとなかなか発音しない言葉ではないでしょうか。実はこの記事でも最初はピリチャピ、次にプリチャピと書いていました。どっちも違っていました。

ちなみにウクライナ語だと若干表記が異なり、発音もプルィーピヤチとなるそうです(Wikip○diaで確認)。

原発事故により放棄されたプリピャチ遊園地。

放射能に侵された土地、人が立ち入れなくなって荒れ放題になった家屋はFall○utシリーズの荒廃した世界観が好きな方には刺さりそうな世界観だと感じました。

 

色々なホラー演出がありましたが、わたしが一番ビビり散らかしたのは廃墟のクローゼットから『影』が飛び出してきた時です。ああいう突然ドッキリ系に弱いです。
あと、タチヤナの映ったテレビを見ている沢山の人形たちも不気味でした。

仲間+αについて

全員個性豊かで好きです。
みんな我が強くてわがまま&イーゴルに対して「自分の事ばかり」と怒るわりに仲間たちも大概自分勝手で自己中心的という、なかなか普段はお目にかかれないタイプのパーティでした😂
でもそんな彼らだからこそ、彼らがイーゴルに協力し、自己開示をし、自分たちの積み上げてきた知識や技術を使ってくれる様子が熱くてとても良かったと思っています。
わたしは結構こまめに仲間たちと夜会話をしていたのでオリヴィエがロシアやウクライナ出身では無い事も、ミハイルが仲間を喪っている事も、サシュコがお父さんを井戸に落とした事も事前に聞いていました。……にもかかわらずメインミッションでその話題が出た時に「初めて聞いた」ような反応しか返せないところはちょっぴり残念でした。

 

では、ここからは少し個性豊かな仲間たちへの印象など。

 

イーゴル

科学者。タチヤナという美しい婚約者が居た。
時々記憶が不鮮明なところがある。
長年イギリスに住んでおり、聴く音楽はもっぱらタチヤナの弾くヴァイオリンで、クラシックなどを好む上品な趣味をしている。

時々、彼の名前がイーゴルだったかイゴールだったかわからなくなることがあります。
ヒミヌクという姓は日本語で表現すると、ヒミニュクという感じの発音に近いようです。登場人物たちの口からこの名前が出るとなんだか響きが可愛くて好きです。
イーゴルも他の人たちと同じようにご飯を食べているのに何故か回復アイテムを使わないと体力が回復しないのが不思議でした。

オリヴィエから訓練を受けてからは随分マシになりましたが、初期状態のイーゴルは兵士を殺害すると精神力が下がります
これ、ゲームとして見ると鬱陶しい部分でもあるんですが、イーゴル=軍人として生きている人間ではない、ということを良く表している演出で感心しました。血なまぐさい世界と無縁の一般人がそんなに気軽に人を殺せるわけないですもんね。
ナイフを使わずに相手を気絶させる技術をオリヴィエから学んだ後は、テイクダウンした相手をそっと地面に下ろすイーゴルのモーションに彼の優しさが表れていて好きです。タチヤナはイーゴルのそういうところも好きだったんでしょうね。

 

タチヤナ

イーゴルの婚約者。非常に美しい女性。
過去の会話によるとスポーツ万能だったらしい。
イーゴルと共に暮らしていたが、30年前に行方不明となった。

ヴァイオリンを弾いている姿が印象的。
過去の写真は全て集めきれませんでした……。イーゴルとタチヤナのイチャイチャ、もっと聞きたかったな。
写真で過去の思い出を思い返している時のタチヤナ(つまりイーゴルの記憶の中のタチヤナ)は非常に愛らしく穏やかなのですが、ポータルを通る時と夢に出てきて探索に誘っている時のタチヤナは妙にイーゴルを不安にさせるような事を言うんですよね。クリアした事でその理由が分かった気がします。
低い声でイーゴルを呼ぶときの巻き舌がかっこよくて不気味で好きです。海外の方の舌の使い方どうなってるんだ。

オリヴィエ

開始時点でイーゴルに雇われている元軍人の傭兵。軍人としてのプライドがあり、倫理観はまとも。
自分を認めてくれなかった父親との確執や、傭兵仲間であり友人でもあったアントンの話が聞ける。

まともな人間であることが会話の端々から見て取れて、一番好きなキャラです。軍人も傭兵も人を殺すこともある仕事ですが、彼の倫理観はしっかりしていていつも安心できました。
最初の侵入作戦で片腕を負傷していますが、それでもモンスターハントが発生している場所へ彼を送り込むとしっかり倒して帰って来てくれる事が多く優秀でした。相当腕利きの傭兵なんでしょうね。
軍人なのに、彼の口から「知は力だからイーゴルを信用して良いのか未だにわからなくなる」という台詞が出てきたところが特に好きです。知力を力と認められる軍人、かっこいい。
結局のところオリヴィエはイーゴルに雇われる前からイーゴルを知っていたという解釈で良いのでしょうか。関係性が良い状態でもイーゴル本人を信用しているというよりは自分の目的の為にイーゴルを生かした、という感じでしたね。
それでもわたしはオリヴィエの高い倫理観と気遣いの姿勢を好ましく思っています。約束したのに彼の部隊を救ってあげる事が出来なかったのは残念ですが……過去を受け入れて前へ進んでくれる強さも持っている人なので、きっと大丈夫でしょう。
独房で読めたオリヴィエのコードネームかわいい。メープルリーフって……まんますぎるでしょ。

 

ミハイル

口調の荒い粗野な男。
イーゴルたちが使っている拠点の持ち主。薬草やキノコにとても詳しいらしい。
かつて一緒にいた仲間たちの話などを聞かせてくれる。

粗野な男だけれど時々とても切り口の鋭い事を言います。
理論でガチガチになりがちなイゴールに「もっと視野を広く持てねえのか?」と苦言を呈すことも。
大きな孤独と怒りを抱える男ですが、仲間を思う気持ちは人一倍強い男だとも思います。
その仲間はどちらかというとイーゴルたちよりも、かつて一緒につるんでいた仲間たちを指すことのほうが多いようですね。まあそれは仕方ないこととも思います。

 

サシュコ

年若い犯罪者。タラカンと組んで仕事をしていた。
貧乏な家に生まれ、いわゆるストリートチルドレンとして育った。行方不明になった兄を捜している。
育った環境からあまり他人を信用しないようだが、子供の頃の話を聞かせてくれる。

口調は荒いけれど、やたら綺麗な顔してるお兄ちゃんだなというのが第一印象でした。
英語でイーゴルに手紙を書いていたことから英語圏出身なのかなと思ったんですが、どうやらモスクワ出身のようです。
彼の兄に関するメインミッションはなかなか……重かったですね。
サシュコ、分かり易いクソガキと見せかけて実は謎の多い人物でもあると感じています。自己開示しているようでしていない、他者を簡単には信用していないというのがじわじわ伝わってくる絶妙な距離感があるというか。

 

ラカン

言っていることが支離滅裂な謎のおじいちゃん。
聞ける話も気が触れているような内容が多いものの、時折正気を取り戻す・過去に政府が秘密裏に行っていた実験について口走るなど、不思議なところがある。
見ず知らずのタチヤナが何度も夢に出てくるらしい。

独房にあった書類に『KGB時代の人物調査所が処分されているため~』と書いてあったので、KGBの人だったのかなと推察しています。
統合失調症で精神病院に入院していたそうです。
カズロフもタラカンのことを知っていました。どうやらタチヤナと同じように“影”に関連した人体実験に使われていたようなので、その時に面識があったのでしょうか……?
ラカンとは『ゴキブリ』の意だと自分で言っていましたね。

 

オリガ

チーム内で唯一の女性。
禁止区域に村を作り生活している狩人。サシュコのような男性が好みらしい(ただし既婚者)。ヒステリック気味でちょっと面倒くさい性格。
人のために生きて死んだ母親の話や、イーゴルたち研究者が行った実験・研究のせいで人生を狂わされた知人の話などが聞ける。

自身が女性であることを嫌ってはいないものの、相手の言葉尻を捕らえて「性差別か?侮辱するな!」と突然怒りだすなど不安定なところがあります。
そういうところもあり正直言って最初の印象はあまり良くありませんでしたが、発電所侵入作戦の際にスナイパーに任命すると大活躍してくれました。
実は最初、彼女の旦那から「食料に睡眠薬を盛る」という話を聞かされた際に同意してしまったせいで村ごと壊滅させてしまいました……。
もちろん後で改変したんですが、エンディング分岐前の空間で「よくも私のコスチャを殺したな!」とオリガから罵倒されるシーンがあり、一度村壊滅→コスチャ自死の流れを自分で見てしまっていた事もあり落ち込みました。
あの時間軸のオリガはきっとイーゴルを許してはくれないでしょうね……。

 

小さなストーカー

まさか子供の姿をここで見る事があるとは。とても動揺しました。
すぐ近くに影がうろついていたこともあり、最初はオリガに同意して檻の中に残したのですが、過去改変でやり直してみたらどうやらイーゴルは解放後この子をオリガの村へ送る事にしていたみたいですね。

 

カズロフ

甥っ子を助けた上で居場所を教えてあげたら発電所侵入時に協力してくれました。
甥っ子の居場所を教える選択をした際は仲間たちが誰も怒らなくて、子供に対して優しいこのチーム、素敵だな……と思いました。
発電所侵入時の協力には心底感謝していますし甥っ子くんがすくすく成長してくれるといいなと願ってもいますが、カズロフがミハイルに向かって言い放った台詞(カズロフの軍が仲間を殺した件で怒り狂うミハイルに対し、「どこの誰だね?全く記憶にないな」)の件は許していません。
彼らにとって民衆の命などこんなもんなんでしょうね。身内には甘いけど踏み躙った虫けらなんていちいち覚えてないってか。

 

NAR兵士

時々助けを求めている兵士が居り、助けてあげるとみんな素直に感謝してきます。
その上、イーゴルが独房に捕まると以前イーゴルが助けたという兵士が扉を開けてくれた上に装備品を全て返してくれました。
こういう人間味のある事をされると、ミッション中に出会う兵士もなるべく殺さないでクリアしたくなっちゃいますよね……。彼らはイーゴルの敵ですが、そもそも彼らだって上に言われて仕事しているだけですし。

その他

「よーし!観覧車を回すんだ!」でめちゃくちゃ笑った。

↑イーゴルのキャラ的に絶対言わなそうなセリフだったので……。急に元気になるな😂

 

*学んだことのメモ

・ガスマスク使用時にはガスマスク用のフィルターが必要
これは以前、他ゲーム(Satisfact○ry)を遊んだ時に初めて知りました。有難いことに、実際に私生活でガスマスクを使う機会なんてないので……。
Chernobyliteのアイテム説明欄に『フィルターの目が全て詰まってしまったら別のフィルターに取り換える必要がある』と書いてあり、勉強になりました。

 

・サマショール

チョルノービリ原子力発電所の事故後、自らの意思で立ち入り禁止区域に留まったり帰ってきたりして生活をしている人々の事を指す言葉だそうです。

 

仲間たちとのやり取りもそれほど多くなく、出来ることも終盤はかなり限られてくるのですが、声優さんたちの熱演を聞きなれないロシア語音声で聞けることが新鮮でした。
そしてグラフィック。景色がとても綺麗。放射能の影響で荒廃しきった世界を”美しい”と表現するのはまた違う気もしますが、今後の人生で恐らく自分自身では足を踏み入れることはないであろうウクライナのチョルノービリ周辺をゲーム内で歩き回ることが出来たのはとても貴重な体験でした。

 

 

おしまい。