積みゲー崩しと備忘録のようなもの

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パラダイスキラー

 

先日の記事のあと絵文字箱にわんちゃん🐶
送って下さった方、ありがとうございました!とっても嬉しかったです。

 

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オープンワールド推理ゲーム、パラダイスキラーの感想です。

実績全部達成済。
プレイ時間は17.6時間でした。
なお、15時間くらいはアイテム集めとみんなとのおしゃべりのために島を駆けずり回っていた時間です。

 

一言感想:そして、あなたも月に辿り着きますように。

 

あらすじ

誕生と破壊を繰り返して完璧になることを目指してきた島、“パラダイス”。
25号島の完成が近づき、24号島の終わりがやってきた。
ところが、島を支配するシンジケート幹部である議員たちが一夜にして何者かに皆殺しにされてしまう。
この事件を解決するべく招集されたのは、過去の失敗から300万日もの間閑散地に飛ばされていた捜査官レディ・ラブ・ダイ
容疑者として捕らえられた悪魔憑きの庶民が真犯人なのか?
それとも、島には別の真実が隠されているのだろうか?
パラダイスの秩序を殺したパラダイスキラーの正体を暴くため、レディ・ラブ・ダイは300万日ぶりの捜査を行うことになる。

ゲームについて

・日本語音声……なし
・日本語字幕……あり。誤字脱字は多め&キャラクターの口調が突然変わる事がありますが、ローカライズは自然です。
・主人公……レディ・ラブ・ダイ。とある犯罪を犯し300万日追放されていた捜査官。
・仲間……有能コンピューターであるスターライトがあなたの相棒です。
・ゴア表現……殺人事件を扱っているため若干あり。

・その他……かなり癖のある奇抜な世界観が特徴です。

↑初っ端からこんな文章が殴りかかってきます。
え?は?なんて???と最初こそ困惑しますが、不思議な事に遊んでいるうちに理解出来てきます。

また、このゲーム、物凄く3D酔いしやすいゲームとなっているようです。
ゲーム酔いの激しい方はご注意ください。
どんなゲームにもいえることですがパラダイスキラーは特に世界観がハマらなければ楽しめないかもしれないので、まずは公式PVなどで雰囲気を掴むことをおすすめします。

ちなみにオートセーブなし、手動セーブのみです。

感想(※この先ネタバレあり)

音楽について

日本の80年代ミュージックに影響されている楽曲が多いそうです。
わたしのお気に入りは『世界の終わり』。

世界観まとめ

わたしは解釈もヘタクソなので間違っているところがあるかもしれませんが、この世界の独特な世界観について少しまとめておきます。

*パラダイス

数千年ごとに破壊と再生を繰り返す居住地。
”現実世界”とは違う世界らしい。
パラダイスは自然に造られるわけではなく、設計を担当する建築士が居る。

*神々

シンジケートたちが信仰する“エイリアン”。
現実世界に囚われている者も居る。
神々は信仰の対象であるが、神に騙される事は重罪とされる。

*悪魔

神々と同じくエイリアンであり人間とは違う生き物。
“島を腐敗させる”ことがあり、腐敗した島は居住に適さないとされる。
24号島も10年前に悪魔の腐敗が始まり、終わりに向かい始めた。

*シンジケート

主人公であるレディ・ラブ・ダイを含めたゲーム内登場人物の大半がこのシンジケートである。
殺害や自死で命を落とすことがあるものの基本的には不老不死であり、何千年何万年も生きている者もいる。
実質島を支配しているのは彼らシンジケートであるが、シンジケートの中にも階級があり、『議長』と『議員』は様々な権限を持っている。

*庶民

“現実世界から強制的に連れて来られた”人間。
シンジケートにとって家畜のようなものらしい。
彼らは拉致の後、この島で神々を信仰することを強いられ強制労働をさせられる。
彼らは次の島へ渡る事は許されず、島が終わる時にシンジケートの手による虐殺の儀式で皆殺しにされる。
24号島にも3000人強の庶民が居たらしいが物語開始時点で既に虐殺されている。
なお、シンジケートと庶民の恋愛は大罪とされる。

 

この先は画像も含めネタバレがあります!
犯人についてもガッツリネタバレしているのでご注意ください。

キャラクターについて

特に推しなのはレディ・ラブ・ダイ、クリムゾン、シンジです。
でもなんやかんや全員に愛着があります。
以下、特に語りたい人についてだけメモします。

 

レディ・ラブ・ダイ

主人公がレディ・ラブ・ダイで良かった。
皮肉屋な一面もありますが、可愛くて好きです。
300万日って単純に365日で割っても8200年以上だよなあ……と思うと、そんなに長い間ひとりで過ごすことを強いられていたレディ・ラブ・ダイに同情してしまいますね。
いつも冷静だったのに、リディアへの疑惑が膨らみ始めた時は少し動揺の色を見せたレディ・ラブ・ダイが切なかったです。

シンジ

初対面時にレディ・ラブ・ダイがパッと見てすぐ「悪魔」と言っていたので、この世界の悪魔はみんな奇抜な容姿なのかなと気になりました。
大した話が聞けないことはわかっているのに、見つけるとついつい話を聞きに向かってしまいます。
……かと思えば時々とても鋭い事を言う事もあり、侮れない存在です。

 

クリムゾン・アシッド

笑顔がとてもかわいい。
「祝福を受けてこの顔になりました」と話していたので、昔は普通の人間だったのでしょうか。
上品な話し方や立ち振る舞いをしていますが、戦士としてとても強いらしいですね。
素敵な女性だ~。
クリムゾンとレディ・ラブ・ダイは一瞬?少し怪しい関係だったようです。
ええーっなんですかその完全にわたし得な話!?あのちょっとその話もっと掘り下げてくれませんか!?!!!?と前のめりになったらなんと肝心なところは暗転。しょんぼり(そりゃそうだよ)
いやーでも大変興奮しました。
このゲームで一番テンション上がったかも。ありがとうございました。

 

ユーリ・ナイト

いくら南国と言っても風邪引きそうな服着てるなあ(第一印象)。
出世欲の強い人みたいですが、有言実行で若くして出世していってるっていうのはすごいことですよね。
偉そうなキャラってあんまり好きじゃない事の方が多いのですが、ユーリは結構好きかもしれません。
不満も喜びも全部いちいち表情に出るのかわいいですね。
元々はしょぼいクソガキだったのが一晩にしてムキムキのイケメンになった(リディア談)とのことで、聞けば聞くほどシンジケートの生態が謎です……。
彼らに子供時代や幼児期というものはある・不老不死(ただし殺害・自殺の場合は死ぬ)・一晩で容姿が変わる事がある?

 

DR ドゥーム・ジャズ

レディ・ラブ・ダイが彼への印象で言い放った「平気でヤリ捨てするタイプ」でめちゃくちゃ笑いました。
ただ、いやらしさはそれほどなくフレンドリーですし、「人生は短いから人を嫌ったり怒ったりして過ごすのはもったいない」と明るく語るところはとてもいいなと思いました。
庶民に手を出す事もあるそうで実際女遊びはかなり激しそうですが、良い男だと思います。
親友の墓を暴いたレディ・ラブ・ダイに対して怒りを爆発させるところも口先だけでない人の良さを感じて好印象でした。

 

ヘンリー・ディビジョン

悪魔に憑かれた庶民、27歳。
何度も話をしていると時々素直な一面も見えました。
彼も犯罪者ですが、ユーリやアキコと比べるとちょっとは可愛げがあります。
それにしてもヘンリーの母親の死体、10年もデッドゾーンで放置されてるんですね……。
この世界、庶民に人権なんて無さそうですもんね。

クマちゃん

かわいい~!

 

裁判について(※犯人などネタバレ)

全体的にずっとポップで明るいものの、登場人物に感情移入しがちな人にとって後味は悪めかもしれません。
少なくともわたしは「やった~!」という気分では終われませんでした。

捜査メモと遺物がほぼ全てなくなるまで歩き回り、事件簿にもう一度目を通してからいよいよ裁判へ。
事件簿をひとつずつ紙に書き出して線を引いてマインドマップを作成してみたところ、「この人とこの人が協力してないとこれは無理じゃない?」「そもそも10年前にこれをこの人がやってないと無理じゃない?」「ずっと前からこの人たち全員で画策してないと無理じゃない??」と謎が深まるばかりでした。

でも、証拠をしっかり集めてからの裁判パート、めちゃくちゃ面白かったです。
自分で解決していく楽しさは無いのですが、窮地に立たされたシンジケートたちの人間模様が面白い事面白い事

ユーリとアキコを告発した瞬間、「お前がこのくらいなら死なないって言ったんじゃないか!全部お前のせいだ!」と法廷で黒幕を名指しする様なんて追い詰められた犯罪者の心境として非常にリアルなものを感じましたね。
リディア&サム夫妻のように愛し合っていたり信頼関係で結ばれているわけではなかったからこその道連れ告発。ゾクゾクしました。

 

ダイノニガテは可哀想でしたね。
音声でも「Dainonigate」と聴こえたので、原語版でもダイノニガテという名前だったみたいです。
……ダイノニガテって“大の苦手”ってこと……ですよねえ、多分。
母親がそう呼んでたからダイノニガテって名乗ってるって、あまりにも切ないよ。
「あなたのこと、大の苦手だわ」とか事あるごとに言われてたんでしょうか。

 

道具として使える“議員の血を引いた息子を手に入れる為”に子供を産んだカルメリーナ、鬼。
二次元にいる犬好きに悪い人はいないと信じたかった……。もうお前が悪魔だよ
……でも、人格のある子供を殺人の道具のためだけに産んで使ったことは許せませんが、彼女の怒りに関しては少し気持ちが分かる気もします。
偉大な仕事をしているのは事実だし、それに対する大きな見返りを求めてしまっても仕方がない。
何千年もずっと島を作り続けながら、自らを軽んじられているように感じていたんでしょうね。

 

カルメリーナと証人を絶対に断罪したかったのでリディア&サムのことも告発してしまいました。
黒幕&実行犯は3名だけなのだからその他の人に関しては情状酌量の余地があると認められる展開があるのではないかと思っていたからです。

しかし考え方が甘かった。

少しでも今回の件に関わった人たちは、当初判事が宣言した通り例外なく全員処刑となりました。
レディ・ラブ・ダイの親友でありずっと好意的に接してくれていた上、殺人から足を洗って他者を慮っていたリディア&サムはもちろん、レディ・ラブ・ダイに対して非常に態度の悪かったアキコ14大元帥やユーリであっても処刑の瞬間は悲しかった……。
今回の件では無罪放免となったヘンリーに裁判後会いに行ったところ、彼から感謝はされましたが、庶民であるヘンリーは結局島と共に死ぬ運命であると突きつけられてしまったので更に後味が悪かったです。
調査して分かった事を無視して、全部見なかったことにして、どちらにしても死ぬはずだったヘンリーを犯人に仕立て上げて終わらせた方がシンジケートのためになったのでしょうか。

その他感想

確立された世界観が洪水のように押し寄せてくるため、最初は困惑しました。
始めたては「お前らは一体何を言っているんだ」状態。
スカ○リムでも経験したなあこういうの……と遠い目になりました。
一体何言ってんだ説明してくれ!(説明してくれてる)

 

人との対話を通して少しずつ真実に近づいていく感覚は非常に好みでした。
探索ゲーが元々かなり好きな性質なので、島を歩き回るのは単純に楽しかったです。
アジサイのような花が咲く道、神々の像(?)だらけの場所、地下道に庶民の居住地、コンビニetc……特に最初の頃は「こっちに行ったら一体何があるんだろう?」とわくわくしました。
リディアやDRなど、最初からレディ・ラブ・ダイに対して友好的な人から重要証言を引き出すのは比較的簡単だったり、逆にレディ・ラブ・ダイに対してあまり良い感情を抱いていない人から重要証言を引き出すためには何度も会話して仲良くなる必要があったり……という部分も妙に人間くさくて好き。
ファストトラベルが使いづらい(有限通貨による有料制)ことが最初は不満だったのですが、“歩き回って証拠を集める”為にはむしろこの仕様であることが正解なのかもしれないなあと感じるようになりました。
遺物収集は特に事件解決に必要な事ではありませんが、ちょっとした説明文にはこの世界をより深く知るためのヒントが散りばめられており、見つけるたびに少し嬉しくなりました。
相当歩き回ったな~と思った後に瞑想機能が解放されたので使ってみたら、まだまだ取りこぼしがあったので全部回収するのにかなり時間を費やしてしまいました。

 

コンビニやアパート、鯉のぼり、電柱などがある居住地等はかなり日本っぽくて、あれ?これって海外発のゲームだよね……?と少し困惑。
海外の人が考えるなんちゃって日本という感じではなくとてもリアルな日本感でした。

 

兵舎の↑これ、最初見た時は爆笑しました。
でもその場で断罪、処刑!というわけではなく「俺が外まで連れて行く」と強制退去させられるだけなところはちょっと優しくて面白いです。

いやー、面白かった。
とても好きです。

ただ、世界観とキャラクターが奇抜&3D酔いが酷いので人にすすめるかと聞かれるとちょっとおすすめしづらい感じ。
でも同じくこの作品を好んでいる方とはぜひゆっくりお話してみたい、そんな風に思えるゲームでした。

 

おしまい。