積みゲー崩しと備忘録のようなもの

ひたすらゲームの感想を残すブログ

Unpacking

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1月ももう終わってしまいますが、あけましておめでとうございます!
今年もよろしくお願いいたします。
(今月に入ってからも何度か拍手をいただいておりました、ありがとうございました!)

わたしも無事にまたひとつ歳を重ねました。
誕生日が憂鬱になってからもう随分経ちますが、無事に生きたおかげで昨年の自分よりも推しが増えているのだと思ってまた1年前向きに過ごしていきたいです。

さて、年明けから色々と遊んでおりました。
こちらのブログの新年一発目は『Unpacking』の感想です。
当ブログではちょっと珍しく発売からそれほど月日の経っていないゲームレビューですね。

 

一言感想:人の持ち物にはその人の人生が詰まっている

 

ゲームについて

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人生で何度かの引っ越しを経験する主人公(女性)の荷解きをするゲームです。
やる事はただ、段ボールに詰められた持ち物を『相応しい場所』に片付けるだけ。
お気に入りのポスターは寝室の壁に、文房具は机の上に。
トイレットペーパーはトイレに、大きなタオルはバスルームに。

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子供の頃に大切にしていたぬいぐるみや趣味は主人公の成長と共に変わったり、少しずつ形を変えながら生活に寄り添ったりします。
一体どういう人物が住んでいる部屋なのかプレイヤーには何もわからないはずなのですが、一緒に荷解きしているだけでなんとなく主人公が現在置かれている状況や感情が見えてきます。

ステージ数は少なく、パズル要素もそれほど難解なものではない為プレイ時間は3~4時間ほどとなりますが、『持ち物を通してその人の人生を知る』という体験はなかなか素敵なものでした。
難しすぎないパズルゲームが好きな方、ひとつの物から想像を膨らませるのが好きな方にはきっと向いているゲームなのではないでしょうか。
グラフィックも可愛く、“物を置いた時の音”もそれぞれとてもリアルで細部まで拘りを感じます。
気になった方はぜひ一度遊んでみて欲しいです。

シナリオのネタバレは見たくないけどステッカーのヒントが欲しい

ステッカーを獲得する&アンパッキングをさらに楽しむちょっとしたヒント。
物を置いた状態でマウスを右クリック(※マウス操作の場合)すると、物によっては反応します。
ゲーム機やラジカセなど、気になるものは右クリックしてみましょう!
右クリックによって時々ステッカーも手に入ります。
また、クリアした場所(星を押してそのシーンをアルバムにしまった場所)によって主人公のコメントが変わります。


☆一部、見つけづらそうなステッカーの見つけ方

・浴室があるステージで……(以下反転)

電気を使って動かすもの(トースターなど)を浴槽・シャワールームに入れる

 

・2010年、(以下反転)

男性物の下着のみを収納にしまう

 

・2010年、(以下反転)

コーヒー関連の物を全て(?)テーブルに並べる

 

・主人公が持っているブタのぬいぐるみと、2015年以降に出てくる(以下反転)

トラのぬいぐるみをくっつけて配置する

 

・トイレのある全てのステージで(以下反転)

トイレの水を流す

 

 

感想(※この先ネタバレあり)

※この先はストーリーのネタバレがあります※

 

 

 

 

 

 

1周目クリア時点でsteamに記録されたプレイ時間は4時間ほどでした。
最近のゲームは安くてクオリティが高いものが多いので、お値段を考えるとちょっと短めかなぁとも思ってしまうのですが、エンディング曲も含めてとても良かったです。
ひとりの女性の子供時代から新たな生活の幕開けまで、持ち物を通して幸せを分けてもらえるような素敵なゲームでした!

ただ、やはり小さめなドット絵である事&舞台が外国のせいかわたしの知識が足りないのか「これ何?」と思うアイテムもちらほらありました。
ここじゃダメって言われるからとりあえず別のところに置いてみるか……と色々試したらOKが出たものの、結局何に使うものだったのかわからないままだったアイテムも数点。

……考えてみれば当たり前なんですが、自室だけじゃなく住居を全て別のところに移すとなると持っていく物の数も膨大になりますよね。
転勤が多い方は大変だろうなぁ。

さて、最初にまず荷解きをすることになる子供時代の部屋。
アルバムに綴られるのは、自分の部屋が出来てはしゃいでいる女の子の喜びの言葉です。
後にアルバムコメントで発覚しますが、どうやら主人公にはお姉さんか妹がいるようなので、この引っ越し以前は姉妹で同じ部屋だったか子供部屋が無かったのでしょうね。
わたしも小学校中学年くらいまで弟と同じ部屋で、“自分一人だけの部屋”というものにあこがれを抱いていた時期があったのでとても共感しました。
それからちょっとクスッとしたのは鍵のかかる本(恐らく日記帳?)。
自分が女児の頃、こういうのは絶対に人目に触れたくなかったので枕の下に隠したところクリア判定になりました。
ほんとに声が出ちゃいましたよ、だよね!わかる!!って。笑
女児心……こんな歳になっても思い出せるもんなんだなあ。

配置を考えるセンスが本当に無いため『とりあえず無難なところに適当に並べる』だけでもクリアさせてもらえる難易度なところは本当にありがたかったです。
どう○つの森でもシ○ズでもFall○ut4でも「家具をセンス良く配置するコツ誰か教えてくれ~!」と呻いていたので……。

家が変わってもずっと連れて行かれるおもちゃたち。
きっと主人公の女性にとって大切な思い出のあるものだけが厳選されているんだなぁと思うと同時に、なんだかちょっとトイ○トーリーを思い出しました。
ゲームのスタート画面にも映っているブタのぬいぐるみは特に、修繕しながらずっと大切にしているのが伝わってきますよね。
きっとこのぬいぐるみは主人公にとってのウッ○ィみたいなものなんだろうなあと思いながら眺めていました。

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主人公はイラストレーターになったんでしょうか。
子供の頃からサッカー、音楽、イラストなど色々なものに興味があったようなので、その中のひとつが仕事になっている描写には感動しました。
知らない人の知らない物語のはずなのに追体験できる、“引っ越し”をテーマにして人にフォーカスする物語は多そうですが、物を通して人生を描く物語は斬新!
着眼点が凄いですね。

主人公は最初男性と付き合っていたようでしたが、最終的にパートナーに選んだのは同性(?)のようです。
赤ちゃんは2人のうちどちらかが体外受精で産んだのかもしれませんし、ひょっとしたらどちらかが“身体的には男性だけれど持ち物や服装は女性的な人”だったのかもしれませんし、養子をもらったのかもしれません。
色んな解釈が可能ですが、全てを明確に描き切らないことでむしろ様々な生き方が肯定されるような描き方をされているところに非常に好感が持てました。
主人公たちにはきっと明るい未来が待っているでしょうし、絶対にそうであって欲しいなと思えるゲームでした。