積みゲー崩しと備忘録のようなもの

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HEAVY RAIN -心の軋むとき-

www.jp.playstation.com

HEAVY RAIN -心の軋むとき-を遊んでいました。

上記リンクはPS4版のリンクになりますが、わたしが遊んだのはPS3版です(※よって今回もスクショはありません)。

同じ会社のDetroit: Become Humanがとても面白かったのでこちらも購入しました。
DBHはフローチャート埋めが終わっていないのでDBHについてはまた改めて記事にしたいなと考えております。

※このゲーム、他ハードではどうなのか不明ですがPS3版の場合はDUALSHOCK対応のコントローラーでないと操作できない箇所があるため、純正コントローラーじゃないと詰みます!ご注意ください。

 

一言感想:謎が謎を呼ぶストーリー。一部の謎が解けないままなのは少し残念。

 

 

あらすじ

とある理由により妻と別居中であるイーサン・マーズ

ある秋の日、最愛の息子ショーンと共に公園で遊んでいたところ、はぐれてしまう。

そのまま行方不明となったショーンは子供ばかりを狙う殺人鬼『折り紙殺人鬼』に連れ去られた可能性が高まり、イーサンはショーンを救う為に折り紙殺人鬼を追うことになる。

 

ゲームについて

・日本語音声……あり
・日本語字幕……あり
・主人公……4人の主人公(後述)による群像劇
・ゴア表現……人が死亡・怪我をするシーンは多いものの、直接的な描写が画面に映る事はありません。ゴア表現よりも子供が犠牲となる事件を扱っている事・一人で遊んでいないと気まずいシーンが何度かある事に注意。

 

*主人公たち

 

イーサン
妻と2人の息子と共に幸せな生活を送っていたが、不注意により上の息子を事故で亡くしてしまう。それからは妻子と上手くいかなくなり抜け殻のような生活を送る。事故のトラウマ・後遺症により記憶障害に悩んでいる。
雨の続くある秋の日、残されたもう一人の息子、ショーンが子供を対象とした殺人鬼『折り紙殺人鬼』に連れ去られてしまう。

スコット
元刑事の私立探偵。
現在は折り紙殺人鬼の事件について調査している。
喘息持ちで薬の吸入器が手放せない。
捜査の途中、かつて折り紙殺人鬼の手によって息子を亡くした母親・ローレンと出会い、交流を深めていく。

ノーマン
折り紙殺人鬼の事件解決のため派遣されてきたFBI捜査官。
ARIと呼ばれる特殊装置を使用して調査を続けるものの、ARIによって心身に不調が出ており、痛みを抑えるために使用している麻薬の禁断症状に悩まされている。
地元警察のブレイク警部補とは折り合いが悪く、常に衝突する。

マディソン
酷い不眠症に悩むジャーナリスト。
自宅では不眠症の症状が出る為、時々モーテルに宿泊している。
眠るために借りたモーテルで偶然イーサンと出会い、彼の手助けをしつつショーンの行方を追うことになる。

 

感想

実はわたしのPS3、ずっと純正ではないコントローラーを使っていたので危うく再序盤の歯磨きシーンで終わるところでした。

今回慌てて倉庫を引っ繰り返して純正のコントローラーを発見し、それが問題なく動いたため事なきを得ました……危なかった。

さて、このヘビーレイン、雰囲気はDBHと似たような感じなのだけれど発売が11年ほど前ということもあり、流石にやや操作性が悪いかな?と感じました。

選択肢がぐるぐる回るところとか、QTEの複雑さとか……あとは歩行に何故か必ずR2キーを押しっぱなしにしないといけないところとか。

各キャラクターの思考や選択肢も一部分しか覗けない為、焦っている時は特にベストな選択をすることが難しいなーと思いました。

……それと、既に観た事のあるムービーを飛ばせない仕様はこの頃(ヘビーレインの頃)からもう既にそうだったんですね。

 

ゲーム中は常に雨が降っています。

雨というのは描き方によっては爽やかなもの・美しいものにも成り得ますが、このゲームにおいて雨というものはひたすら陰鬱・死を連れてくる忌むべきものです。

全体的な暗さ・鬱々とした空気感が常に登場人物たちに降る雨によって表現されているのは見事でした。

アメリカの人はあまり傘を差さないと聞きますが、それにしたって「さすがにこんなにじゃぶじゃぶ降ってるんだから傘差した方がいいよ……風邪ひいちゃうよ……」と登場人物たちのことがちょっと心配になりました。

作中ずっと雨が降っている上にみんな雨に対して鬱陶しそうにしているのに(更に一部シーンではとても寒そうにしていたりくしゃみをしたりしているのに)、本当に誰一人として傘を使わないんですよね……。

 

わたしの場合は一度だけ十秒程度フリーズした以外はバグらしいバグはありませんでしたが、序盤ジェイソンを追いかけるシーンにてピエロから少し離れた場所にジェイソンの残像?が残っていた↓事が面白すぎて写真を撮ってしまいました。

残像なのでこのジェイソンはここから動かず、またイーサンもこの残像に話しかける事はできませんでした。

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ここから先の感想にはネタバレを含みます。

 

もっと感想(※この先ネタバレあり)

 

※ネタバレあり犯人についても名指しで言及していますのでご注意ください。

 

 

1周目のわたしが迎えた結末→3人とも生存。イーサンはショーンを無事保護して父子2人で新居探し。ローレン死亡。真犯人は墓入り。

 

父親とはぐれてパニックになっていたとはいえ、「なぜ10歳にもなって車道を横断したの……ジェイソン……😭」という思いは正直あります。

ゲームとはいえ、未来ある子供が死ぬところは見たくないですね。

そして一人残されたショーンを不安にさせないようにさぞかし2人で協力して大切に育てているのだろうと思ったのに、どうやら夫婦は別居中。

未だに、何故イーサンと奥さんを離婚ではなく別居という形にしたのかわからないままでいます。

わたしはそこ(離婚に至っていないこと)が気になってイーサンとマディソンがキスしようとしたのを止めたのですが、あれ、キスを許すとそのまま寝てしまう(男女の営みにもつれ込んでしまう)らしいと知って更に衝撃を受けました。

「もうショーンが死んでしまうまで猶予が無い!」って相当焦ってた時じゃありませんでしたっけ、あのキスするorしないの選択時って。

一体そんな時に何やってんですか……。

マディソンと結ばれないエンディングでも、イーサンはショーンと2人で新居探しをしている=ショーンの親権はイーサンが得たという解釈で良いのでしょうか。

最初から最後までほとんど空気でしかない奥さんをわざわざ“別居状態”として描いた意味が良くわかりませんでした。

そこまで夫婦仲が冷え切っていたならもう離婚で良かったでしょうと思うし、そうであればイーサンとマディソンのラブストーリーも(かなり性急ではありますが)喜んで見守れたと思うんだけどなぁ。

決して2人のことが嫌いなわけではないので。

……そしてショーンが折り紙殺人鬼に連れ去られたという情報が回ってイーサンの自宅前にやって来たマスコミたちの「息子さんはまだ生きているでしょうか?死亡している可能性については?」発言に絶句。

そ、そんなこと面と向かって親に言う!?

人の心が無いのか!?

 

マディソンの身体の張りようはちょっと正直異様なほどで、どうして見知らぬ子供&良くわからない男性の為にここまで出来るの!?と思っていました。

マディソンはイーサンに惹かれており、その事もあってショーンを助ける事にあれだけ躍起になったのだろう……という推察は出来るんですが、そもそもわたしには何故マディソンがイーサンに惚れたのかが全然わからないのです。

会うたびに傷を作り、身元も目的も終盤までわからず、シナリオの進め方によっては「人を殺した」と告白して来る男ですよ。いや怖すぎない?

一目惚れだったんでしょうか。

確かにイーサンはハンサムですが、それにしたって……。

マディソンさんの立ち位置にある人が奥さんであれば全然違和感が無かったはずなんですが、どうしてもマーズ家と無関係の他人である女性にこのポジションを任せないといけない理由があったのでしょうか。

マディソンさんパートはパコのところで突然喘ぎ出した事が未だに印象に残っています。

突如喘ぎ出すマディソンをポカンとした顔で眺めるパコを見て声を上げて笑ってしまいましたよ。

マディソン、しっかりしてそうなのにどんな危ない橋を渡る際にも相手に本名を告げてしまうし、真犯人の家を家探しするときにも素手であちこち触りまくるのでヒヤヒヤしました。

 

ノーマンはわたしにとって作中で唯一印象が最初から最後まで大きく変わらなかった人です。

ずっと善人であり信頼できるFBI捜査官で居てくれました。

職務を全うする事だけを目的に動いているのでブレが無くてかっこよかったです。

しかし正直、例の高性能グラサン(ARI)を初めて外した時は想像より顔立ちが可愛らしい感じだったので驚きました。

彼はいくつくらいなんでしょうね。

個人的には27歳のマディソンよりも若そうに見えます。

それにしても彼に宛がわれたオフィスはあまりにも酷かったですね~。露骨すぎるいじめ。

掃除もろくにしていない独房みたいなオフィスにFBI捜査官を雑に放り入れている時点であの警察署はヤバいと気づくべきでした。

真相を明らかにするために危ない橋を渡ったり、多少手荒な操作をする警察官というのは(二次限定なら)嫌いじゃないんですがブレイク警部補は……ちょっと……。

彼と彼の所属している警察署は「無実だろうがとにかくホシを挙げる」事のみに躍起になっているので、もう途中からはずっと「そんな奴らが警察名乗るんじゃねえ~!!」と半ギレ状態でした。

第一印象最悪でも実は良い警部補であり後半になるにつれて印象が良くなっていくのだと信じていたんですよ、ブレイク……。

なのに彼はただ一般市民に暴力ふるいまくるだけのヤバいおじさんだった事が非常に残念でした。ハンクを見習ってほしい。

被疑者を取り調べている最中に警察とFBIが拳銃まで取り出して喧嘩を始めるってもう……目も当てられない状況でしたね。

途中でノーマンが「そうか!ブレイクが犯人だ!」と言い始めた時は、ああ……ノーマン、疲れてるんだな……と思いました。

だって彼自身がプロファイリングで『犯人は知的で冷静で意志が固く計画的である』と言っていたんですよ。

どう考えてもブレイクじゃないでしょう(大変失礼な感想)。

 

スコットのことは登場人物の中で断トツで好きだったので、未だにショックが大きいです。
捜査を手伝ってくれていたローレンさんがかなり有能なのにスコットはやたらと彼女に対して辛辣で、常に「ローレンが邪魔だ」と考えていたので「ローレンさん頑張ってるのになぁ。不思議だな~」と思いつつ眺めていたのですが、今となっては「そ、そりゃあなたにとってはこういう形の協力者は邪魔ですよね……😅」という感想しか出ません。
動機が幼少期のトラウマに起因しているというのはミステリ&サスペンスの王道ではありますが、今回の件は……理解は出来るけど納得は出来ないかな~というのが正直なところ。
まず無関係の子供・幸せに過ごしている家族を巻き込むという卑劣な手口が許せませんね。
今回、イーサンが無事にショーンの場所にたどり着いた事でスコットの心は救われたのでしょうか?
最後の試練の毒については飲んでも飲まなくても父親は死なないようになっていた=我が子のもとに辿り着けたご褒美の意味合いがあるのかな?と思いましたが、普通に顔出して対峙しに出てきた上にその場でイーサンを撃ち殺そうとしていたのでいまいちどういう意図があったのか謎です。

攫う際に子供には顔を覚えられているでしょうから、どちらにしてもショーンを生かして帰す気はきっとなかったんでしょうし。

被害者の子供たち……の父親はどうやら事件後にどこかへ行ったまま行方知れずになるパターンが多いようなので、試練の途中で死亡してしまったor途中で諦めたところをスコットが口封じに殺害したと考えるのが妥当なのだろうと思いますが、死亡した父親の遺体はどうしていたんでしょうね。

見つかれば家族である妻の元へ連絡がいくはずなので、父親の遺体の方はどうにか秘密裏に処理していたのでしょうけど……そんなことが可能ならわざわざ危険を冒して子供の被害者の遺体を遺棄する必要も無いような。

ひょっとすると子供の遺体の方は確実に見つけさせた上できちんと葬って欲しい、というような意図があったのかもしれませんね(もしそうなら「気遣うところそこ??」と首を傾げてしまいますが)。

考えれば考えるほどサイコパスというか……恐らく彼の心は兄弟であるジョンが亡くなった時点で一緒に死んでしまったんだろうなと悲しくなります。

それでも一度は警察官になっているのでそれなりに正義感だってあったんだろうに、一体どこで間違えてしまったのかなぁ。残念です。

(もし最初からこの事件を起こすことが目的で警察官になったんだとしたら彼の思考回路はもう完全にわたしの理解の範疇を超えています。お手上げ)

……ところで、ローレンさんがまだ犯人の目星が全然ついていないような状況にもかかわらず犯人を「犯人の"男"」と発言したり、30年前の事件で亡くなった双子の片割れを「兄」と言い切ったりしていたのでぶっちゃけ怪しさ満点で、絶対犯人か、犯人と関係のある人物だと思いこんでいました。

だからもう完全にローレンさんを疑って進めていたところ、沈みゆく車中でローレンさんを助け出すことが出来ずスコットだけが脱出。

( ゚д゚) えっ!?あの人犯人だったんじゃ……死んじゃった……!?状態でした。

 

わたしがこのゲーム中で一番好きなシーンは、終盤に『60分で死ぬ毒』を飲んだ(と思い込んでいる)イーサンが手元の時計で残り時間が僅かな事を確認し、ショーンときちんと目を合わせ「お前はパパの一番の宝物だ」と伝えるシーンです。

ショーンも目の前で兄を亡くして相当傷ついたと思うんですが、きっとそれ以上に、まだ自分が居るというのに亡き兄の事で両親が別居に至り家族の仲がギスギスする事の方が幼いショーンにとってはつらかったんじゃないかな……とずっと思っていたので、あのシーンはショーンの傷ついた心を確かに救ってくれたんじゃないかと感じました。

今後イーサンは何があってもショーンの手を離さないだろうし、ショーンが心を病んで今回の真犯人と同じような道を歩むことはないだろうと確信できる良いシーンでした。

 

イーサンが何故記憶を失くす度に折り紙を持っていたのかという謎も、彼にとって本来全く無縁であるはずの水死体のイメージについても、エンディングを全て埋めたところで謎のままであると知ってしまったのでわたしのヘビーレインプレイは今回のエンディングのみで一旦一区切りとしようと思います。

無事にショーンは助かったし、犯人は報いを受けたし、離婚していないのにマディソンさんとイチャつくイーサンはあんまり見たくないし……。

何の落ち度もないローレンさんを助けてあげられなかった事だけ心残りなのでそこはやり直すかもしれませんが、他のエンディングを見るための2周目以降はまた気が向いた時に遊べたらいいかなと考えています。

今回の感想だけ見ると“ここが気になった”という部分ばかり書き連ねてしまったせいでまるで楽しんでいなかったように見えるのですが全然そんなことはなく、とても楽しみましたしミステリー物として非常にドキドキさせてもらいました。

ヘビーレインの演出、メニュー画面から何から何まで雨で統一されてるところがとても拘りを感じる&綺麗かつ鬱々とした雰囲気を醸し出していて好きです。

操作性はともかくシナリオ部分はとてもテンポが良く、どんどん先に進みたくなりました。

わたしの進め方ではイーサンもマディソンもノーマンも人殺し(※試練の途中で・ドクターに襲われた際の正当防衛で・捜査途中の正当防衛&真犯人との戦闘で)になってしまい、正直そこのお咎めが一切ないのは少し気になりましたが、それでもあの3人がこの先平穏に幸せにそれぞれの道を歩んでくれたらいいなと思っています。

イーサン以外の2人のエンディングが妙に不穏なのがすごく不安なんですよ……。

マディソンもノーマンもめちゃくちゃ良い人なので、いつか悩み事から解放される日が来ると良いな。