積みゲー崩しと備忘録のようなもの

ひたすらゲームの感想を残すブログ

Grand Theft Auto IV

f:id:nksz:20211023152356j:plain

PCが入院している間にPS3を引っ張り出してPS3のゲームを遊んでおり、今回は以前から興味があったGrand Theft Auto IV(グランド・セフト・オートIV)を遊び終えましたので感想を書きに来ました。

※今回はPS3でのプレイのためスクショなし、数枚ある画像はすべてテレビ画面直撮りです( ˇωˇ )

 

わたしはGTAシリーズは今回が初プレイです。

 

一言感想:ハードボイルドすぎて引いていたはずなのに、クリア後謎の感動と悲しみに包まれる作品

 

 

あらすじ

従兄弟のローマンから「アメリカで成功して良い家と良い女を手に入れたぜ!お前も来いよ!」との連絡を受け取り、アメリカへ渡った主人公のニコ。
しかしローマンはアメリカンドリームを掴んでなどおらず、借金にまみれながら細々とタクシー会社を運営し、質素な家で暮らしていた……。
誇張表現の過ぎるローマンの話に呆れつつも、ニコはローマンと共にアメリカンドリームを実現するために奮闘することとなる。

ゲームについて

・日本語音声……なし
・日本語字幕……あり
・主人公……ニコ・ベリック。東欧出身で英語に訛りがある。
・仲間……友達やガールフレンド等と出会う機会はあるものの、基本的には1人行動
・ゴア表現……CERO『Z』。グロ表現はそこまできつくないものの、登場人物は基本的にみんな物凄く口が悪く差別的/性的な表現が多め。ストーリーのために主人公は殺人や窃盗等様々な犯罪を犯すことになる。

感想(※この先ネタバレあり)

なんとこのGTA4、発売されたのは2008年。

2008年当時既にこんなに広大な街を舞台にしたゲームが発売されていたなんて。

グラフィックは流石に現代の技術から見れば多少見劣りはしますが、モブの挙動の細かさやマップの作りこみは今見ても相当素晴らしいのではないかなと思います。

主人公ニコの視線の動きも細かく、心情を良く表していて好きです。

 

クリア時、リバティーシティでの経過日数は120日でした。
プレイ時間は……今回は少し電源付けっぱなしでその場を離れることが多かったので数時間プラスになっていそうですが、41時間くらいでした。

バグは2度ほど。

フリーズが1回あったのと、初めてショーに行った時何故か完全なる無音だったので「ショーはこういうものなのか……シュールだな……」と思いつつ観劇したのですが、次に行った時は普通にBGMも声も入っていた=どうやらあれもバグだったみたいです。

なんてシュールなバグなんだ……。

 

遊び始めた初日は歩いていても車を運転していても3D酔いしてしまって参りました。
酔う上に操作にまったく慣れる気がせず、「あ〜……ひょっとしたらクリアできないかもしれないなぁ」と思っていたのですが、なんとか慣れる事が出来て良かったです。
初回運転時は、海外だから右車線走行ということをすっかり失念しており対向車とぶつかりそうになった上、初っ端から街灯をはね飛ばしてしまい血の気が引きました。
まぁ慣れたら、
車線?信号?
知らね〜!
ニコの走る道が道だ!!
死にたくなけりゃ退きやがれオラオラ🖕( ˆᴗˆ )🖕
状態になっちゃったんですけどね。

 

それから、拠点で眠って起きたら停めていたはずの車(※ローマンのタクシー)が無くなっていたのですが、わたしが車にまるで詳しくない上に車種の区別がつかないポンコツなせいで「あれ?こんな色だっけ?」と思いつつ路駐してある車に乗ったら他人の車を窃盗したことになってしまいました。
道行く人達に無言で見つめられて気まずかったです……。
まぁこれも慣れたら、
所有権?他人の車?
知らね〜!!!
この世の車全てニコの物だ!!
死にたくなけりゃ降りやがれオラオラ🖕( ˆᴗˆ )🖕
……とばかりに走ってる車から持ち主を引きずり下ろして強奪するようになっちゃいましたが。


走っている車を強奪する時も、運転手によって反応が様々で面白いです。
抵抗する人、ニコを再び車から引きずり降ろして車を奪い返そうとする人、特に何も言わず降りて徒歩で横断歩道を渡り始める人……。
1回だけ、車を強奪して走り始めたら何故か3台ほどの車に追跡された事があります。
3台でガンガンぶつかって来るので怖かったです……車の元の持ち主はヤクザのお偉いさんか何かだったんでしょうか。

 

モブの車も個性豊かですね。
きちんと交通ルールを守る人もいれば赤信号にもかかわらず後ろから煽ってきてこちらの車にガンガンぶつけてくるクソ野郎もいました。

f:id:nksz:20211023154735j:plain

↑モブ同士の衝突事故や交通事故も時々あります。
軽い当て逃げや人身事故は日常茶飯事(しかも警察介入なし)のようです。こわい。

 

GTAシリーズ、なんとなく「ハードボイルドなシナリオなんだろうなぁ……」というふんわり予想はしていたのですが、初っ端からニコが想像以上の型破りだったのでびっくりしてしまいました。
日本のゲームには絶対居ないであろうタイプの主人公ですね。

躊躇いなく人を殺すわ、走ってる車から人を引きずり降ろすわ、やりたい放題なので正直最初はあまり「ニコのことを好きになれないだろうな」と思っていました。

でもストーリーを進めていくうち、ニコと彼の従兄弟であるローマンにはとても愛着がわいてしまいました。
ニコは決して善人のカテゴリでは無いものの、自分の信じたものに向かって突き進む姿勢は素直にかっこいいなと思いました。
依頼を受けたり自分以外の誰かが傷つけられたりすれば躊躇いなく人を殺すような残忍さも持ちながら、自分に対して暴言を吐いてくる人の言葉は上手に受け流すあたりはニコの大人さを良く表しているように感じました。

ニコ、登場人物たちからも散々言われていましたが、『決して善人ではないものの、良い人ではある』んですよね。
困ってる友人知人は放っておけないし、家族のことは何よりも大切にしてる。
そして女性にも、(ぶっきらぼうではありますが)基本優しい。
すっかりファンになってしまいました。

ローマンはアホですがめちゃくちゃ良い奴でしたね。
ストーリー終盤で裏切者を殺しに向かう際の車内で言われた「殺してばかりじゃダメだ、これが終わったら許すことも覚えろ」という台詞、もっと何度もニコに言ってやって欲しいです。
ニコは「ダルコのせいで俺は人を殺すことしかできなくなった」と思い込んでるけれど、ローマンもケイトちゃんもニコのもっと良い面を見てくれてるよ……。

他に個人的にお気に入りのキャラは……うーん、リトル・ジェイコブとドウェインとバーニーでしょうか。

リトル・ジェイコブはガンギマリヤク中ですが、何度もニコをミッション中に救ってくれたので信頼しています。

ドウェインは悪いヤツじゃなさそう。
哀愁が漂っていて可哀想な感じです。
ニコとこの先も良い友達になれるといいな……と思いつつ、彼はカウンセリングか何か受けた方が良いのではないかなとも思っています。
それか、ちょっと放っておくとすぐに病み始めてしまうので猫や犬を飼って寂しさを紛らわせるとか……。

バーニーは正直かわいいです。笑
わたしはもう無条件にオネエキャラが好きなんですよ……これは仕方ない(?)
ニコがゲイではないのはわかっているのでさすがにバーニーと良い仲になりたいとかそういう風には思いませんでしたが、友達として関わりが持てたら最高だったのになぁとは思いました。
バーニーの彼氏(既婚者)は家族愛を前面に押し出している上に『同性愛は悪』として支持者を集めているようですが、バーニーはそんな男と付き合ってて幸せなんでしょうか……。

 

*他の一部キャラについての印象もちょっと書いておきます。

・プレイボーイ
悪いヤツじゃないと思ってたんですが……残念な結果になってしまいました。

なんでこの世界の住人はすぐ疑心暗鬼に陥って殺すだの殺さないだのって話になるんですか!

黒人のために道を整えるという彼の信念は立派なものだと思いましたが、あれも口先だけの話だったのでしょうか。

・ローマンが手配してくれるタクシー運転手

文句を言いながらもきちんと目的地まで送り届けてくれるので優しいなと思いました。

・ディミトリ

知性派な感じがして結構好き。

からの~~~~→

ディミトリ♡このクソ野郎め♡
絶対殺してやるからな♡

……最終ミッションはそんな自分の怒りを優先してディミトリ排除の方向で動きました。

・マニー
わたしの見てる限りそんなに悪いヤツじゃ無さそうでしたが、残念ながら死んでしまいましたね。
遺体が臓器売買に利用される事について「コイツ、街の人の役に立ちたがってたからようやく念願が叶うな」と言い放つニコ。
す、すごいこと言うな……。

・ブルーシー
作り物感バリバリの白い歯を持つステロイド中毒野郎。
身体に謎の漢字を彫っていますね。
舞台となる街には大きなチャイナタウンがあるので、彼が身体に入れているのも日本語ではなく中国語っぽいですが……何か意味のある言葉なんでしょうか。

・デリック・マクレリー
彼の過去や家族を大切にする姿勢は非常にニコに似ていますが、心の強さはどうやらニコの方が上のようです。
もしもニコが薬物に手を出していたらこの男のようになっていたのかもしれないなと思わされる人でした。
デリックの最終ミッションで殺害を頼まれたバッキーは果たして本当にデリックを裏切ったんでしょうか。
死ぬ直前のバッキーの命乞いやフランシスの言葉を信じるなら、デリックこそが人を裏切り続けている危険人物のように思えました。
どちらが正しいのかは最早、誰にも分かりませんね。

・フランシス

ニコ「ここで会うとは奇遇だな、マクレリーさんよ」
わたし「誰だ……?」
マクレリー「俺がお前を呼び出したんだよ」
わたし「いや誰?会った事ありますっけ?」
ニコ「刑事さんが俺に何の用だ?」
わたし「刑事!?絶対知らないよ誰だよ」
……という驚きの初対面からしばらく一緒に仕事をしました。

身内が犯罪者だらけなのに警官になれたなんてすごいですね。
アメリカは身内に犯罪を犯した人がいても警察になれるものなんでしょうか。
殺してまでデリックの存在を隠そうとしてたってことは海外でもやっぱり同じなのかな。
フランシスの最終ミッションで、わたしはデリックを殺したのですが(薬物中毒者であるからなのか常に言動が不安定でいまいち信用しきれなかったので……)、ミッション後にフランシスに電話をしたニコが「少なくとも他のマクレリー兄弟は自分のした事を誤魔化さなかった。あんたは警察バッジの為に嘘をつくイカサマ野郎だ」というような事を告げて関係を絶ったのを見て何とも言えない後味の悪さを感じました。

・ケイト
「過激な兄弟たちと付き合う人とは付き合わない、あなたのことは気に入ってるけどただ遊んでるだけ。デートじゃないわよ!」と言いつつニコと楽しく遊んでいる姿が可愛くて好きでした。
普通に生きたいけれど兄弟がハチャメチャすぎるせいでそれも叶わず苦悩している事が言葉の端々から伝わってきて可哀想でもありました。

 

基本的に車で移動しようと思ったら路駐されている車を盗んだり人の乗っている車を盗んだりする必要があり、ミッションの内容も薬物の運搬や殺人依頼等が主となり、悪事をすることに慣れるまではとても心が痛みました。

人を選ぶ要素満載ですね。

失敗したミッションのやり直しが出来るのは有難いのですが、本当に『ミッションの最初から』やり直しなので長いミッションは非常にしんどかったです……。
操作が下手くそなのでしょっちゅう失敗してしまうし。

 

洋服を買える要素は楽しかったです。

f:id:nksz:20211023155325j:plain

ニコ、顔が厳ついのでマフィアみたいな格好が似合いすぎます。笑
女の子にモテるためにデート前に律儀に服を着替えるニコはちょっとかわいいですね。

 

せっかくなので女の子と初デートした時の思い出も。
初めてのデートはもちろんミシェールちゃんでした。
服を着替えてミシェールちゃんとおデート!!

f:id:nksz:20211023155001j:plain

……と思ったらミシェールちゃんが池に落ちてしまった爆笑しました。
しかもどうやら道を間違えていたらしくミシェールちゃんを無駄に徒歩で連れ回してしまいました。
っていうかデートに誘われたの早朝だったのに、モタモタしてるうちに真夜中になっちゃいましたよ。
現実世界でこんなことされたらもうこの時点で恋人候補としてアウトでしょうが、GTA界の美女は気が長いようで助かりました。
それにしてもほぼ初対面の美女と無言でボウリングに興じるの、シュールだな……。
デートを終えてミシェールちゃんを無事に家まで送り届けたあと、激おこローマンから電話がかかってきました。
何怒ってんだこいつ……と思ったら『助けてくれと言ったのに何女とデートしてんだコノヤロウ😡』と言われました。
あっ……どっちかを優先したらどっちかのイベントが潰れる系のミッションだったんですね!?
ミシェールちゃんがデートを夜まで待ってくれていたのでてっきりローマンも待っててくれるもんだと思っていました。
その後はミシェールちゃんの車を無断で拝借し、ニコが助けに来なかったせいで借金取りにボコボコにされたらしいローマンを迎えに行きました。
ローマンめっちゃ怒ってて笑いました。ごめんて。
でもあなたもきっと美女の誘いは断れないでしょ。
そういうもんよ男ってのは……。(?)

f:id:nksz:20211023155132j:plain

それにしても、デートでも友達との遊びでも勝手に「1時間以内に行く」って言うのどうにかならないんでしょうか。
いやどう考えても間に合わんわ!マップの端から端だぞ!みたいな時でも頑なに「1時間以内に行く」って言いやがる。

なぜなのか。

 

本当に運転が下手くそなので、ブルーシーの車のレースミッションなんて一生クリアできないと思ってました。
クリア出来た瞬間バンザイしてしまいましたよ。嬉しすぎて。
その後貰えたスポーツカー、塗装に行こうとしたらローマンから遊びの連絡が来てしまいボロボロのまま遊びに行く→ミッションクリア後に塗装&修理を終えてようやく自宅前の駐車場に停めたところで電話から始まるミッションが開始されてしまいセーブが不能になる→失敗したので何の気なしにローマンとお出かけ後のセーブデータを読み込む……という迂闊すぎる動きをやらかしてしまったせいで消えてしまいました。
もうあのスポーツカーをずっと大事にするつもりでいたのでめちゃくちゃショックでした……。

 

他ミッションの思い出も色々あります。

 

・妻を殺してしまったので死体を海に捨てて欲しいミッション

f:id:nksz:20211023162248j:plain

なんでよりにもよってこんな遺体が丸見えの車なんだよ〜!!

何度も警察に追いかけられて大変でした。

 

時間配分を見誤り面接に1時間半も遅れてしまうニコ
それにもかかわらず会ってくれる弁護士。やさしい。

というか暗殺対象のところに本名で履歴書送る奴がいるかよニコ……。

 

銀行強盗ミッション

絶対GTA4の操作には慣れることができないと思っていたので、銀行強盗ミッションがノーミスクリアできてとても嬉しかったです!!

 

選択次第でローマンかケイトが死んでしまう、というラストはあまりにもつらい……。

よりにもよって対象になるのが『従兄弟であり自分が大切にしている家族のひとりであるローマン』と『自分(ニコ)と同じく過激な道を歩んでいる兄弟たちのせいで普通の女性としての生き方を奪われてしまっているケイト』の二択なのでどちらを選んでも相当後味が悪くて落ち込みました。

このGTA4というゲームはとにかくリアリティに拘っているようなので、大切な人が亡くなる時もドラマティックな終わり方ではなく、本当に呆気なく突然にニコの前で死んでしまうんですよね。

「俺を殺せばよかっただろう」と言いながら復讐に向かうニコに対して「そのつもりだったが偶然あっちに弾が当たったんだ!」と返すペゴリーノ。

ペゴリーノの言うことはきっと本当なんですよね。

奴は本当に“ニコを殺すつもりで撃ったけど偶然狙いが外れてしまった”。

この悲しい出来事のせいでニコの心にはまた「自分と出会わなければ(自分が来なければ)あいつは生きていられた」「自分が死んでいればあいつは死なずに済んだ」という新たな空洞が空いてしまいました。

せっかく前向きに生きようとしたニコがこの空洞を越えていけるのかどうか、わたしには正直わかりません。

ニコの悪事の代償は彼にとって非常に大きかったですが、どうか生き続けていってほしいな……と思わされるラストでした。

そしてクリア後のニコの電話帳が随分スッキリしてしまって寂しい気持ちになりました。
関係を断ち切るために友達以外との連絡を絶つことにしたんでしょうか。

ハッピーエンドとは言えず最初から最後まで暗いシナリオでしたが、いつかニコが暗闇から抜け出して幸せになれることを信じたいです。

 

GTA4以外の2エピソード(GTA:TLaDとGTA:TBoGT)はまだ手つかずなので、操作を覚えているうちに遊べたらいいなと思っています。