積みゲー崩しと備忘録のようなもの

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監獄少年

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謎解きノベル×脱出ゲーム 監獄少年
謎解きノベル×脱出ゲーム 監獄少年
開発元:SEEC Inc.
無料
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監獄少年 を遊んでいたのでゲーム紹介と感想。

※進行状況:エンディング全回収+特別ストーリー購入。

 

 

ゲームについて

 

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舞台となるのは大正時代の浅草。
監獄十二階で反逆者を取り締まる特高(特殊高等警察)の一員として働く主人公・哲は、ある日起きた身近な人間の死の真相を探っていくことになります。

 

物語を読み進めるには2章以降からチケットが必要となり、このチケットは毎朝5時に5枚付与されます。

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始めたばかりの頃はログインボーナスのような形で毎日数枚余分にチケットがもらえたり、動画視聴でチケットがもらえたりするのでこれらを上手に活用しつつ進めていきましょう。もちろん課金で購入することも可能。

 

マルチエンディングですが、今作は既に開放した物語については何度でもチケットなしでのやり直しが可能なため、エンディング回収も楽です。

 

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舞台が大正時代という『働く=男性』だった時代、更に特高ということもあり、登場人物は殆どが男性です。

物語の内容自体は全体的に暗め……ですが、ミステリ・大正時代・軍服というキーワードに惹かれるものがある方はきっと気に入ると思います。

 

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探索パートや尋問パートもあります。

証拠品をくらえ!上手く突きつけて物語を進めましょう。

動画視聴することで探索パートのヒントも見ることが出来ます。

 

 

感想(※ネタバレあり)

※特に重要なネタバレ箇所は反転

 

ゲーム紹介で書いたミステリ・大正時代・軍服は何を隠そう私がとても好きなものたちのひとつです。

それもあって2年ほど前にストアでアイコンを見かけて以来ずーっと気になっていたゲームをようやくプレイし、クリアしました。

チケット制のゲームは昔良くやっていたので待つのはそれほど苦にはなりませんでした。平日はあまり時間が取れないことも多いのでゆっくり読み進められるのは逆に良いかもしれない。

 

スキップ機能が便利でうれしい。バックログ機能もあるし。

4章の拷問室で鍵が降りてこない不具合(?)がありましたが、日を改めてガチャガチャやっていたら何故か答えと違うタイミングで降りてきてクリアできました。

 

今作で特に好きなのは哲と大和と草間さんです。

でも、始めた当初は「買うとしてもどれかひとつでいいかなあ」と思っていたのになんやかんや全員好きになってしまったので結局特別ストーリーは全員分買っちゃいました。
直也殺し』の真犯人については「ああ やっぱりな……」という感じ。
でもショックでした。好きだった。

 

特別ストーリーの若干ネタバレ:

草間さんの性格と容姿がとても好みだったので、逮捕からのスピード処刑がわりと本気でショックで……。

いや草間さんがあんなに必死に調べてたこと、普通に監獄十二階内の書庫でわかるのかよ!?直也と出会ってしまったばかりに(もちろん直也が悪いわけではないんですが)こんな……酷い……と打ちひしがれていたのですが、特別ストーリーのおかげで回復しました。

逆に買ってなかったら私は多分今ももやもやとしたやるせなさと悲しみを抱えていたと思います。他の人たちの内容についてはさておき、これを有料シナリオのひとつにしてしまうのは若干意地悪なように感じてしまった。

登場時間は一番少なかったかもしれないキャラなので、そもそも私みたいに彼のことを引きずった人の方が少ないのかもしれないけれど。

 

それから、なぜ直也がそんなに九泉草について自分の身を犠牲にしながら一生懸命になっていたのかがずっと疑問でしたが、特別シナリオを読んで理解……できたような、できなかったような……。

彼は意外と独りよがりで、誰にも埋められない寂しさをずっと抱えてる人だったのかなと解釈しましたが合っているのでしょうか。

弟である凪や哲の存在も、親友である充の存在も、そして恋人である望月さんの存在でさえも彼の寂しさを埋めることはできなかったのかなと思うと悲しいですね。

あの件にあまり深く首を突っ込むと自分の身が危うい事はわかっていたようでしたし、自分がいなくなれば自分を慕う人たちがどう思うかわからないわけでもないでしょうし。

もちろん、周囲の人を護る為に行動していたら既に逃げられないところまで来てしまっていたのかもしれませんが……。

それにしてもSEECさんのアプリにはこういう【一番常識的に見えるのに、どこかが完全に壊れている】タイプのキャラクターがたまに出てきますね。

こういうキャラ、見てると切ないし悲しくなるけれど好きなんだよなー…多分今後も私はSEECさんの作品やキャラクターに惹かれてしまうんでしょうね。困ったものです。

 

疑問点:

いまいち腑に落ちないのは充。
監獄十二階の秘密の件は何も知らないはずなのにいくつかのエンディングでは明らかに『何かを知っている』上にキュウセンソウの中毒症状にやられて哲や凪を殺害している。
あの(充がおかしくなる)エンディングでは充が1人で直也の死の真相を調べている際に黒幕たちに見つかった……と解釈するのが1番自然かな?

 

…実は私は、『本当にただ純粋に『天国へ行ける薬』としての役割のみ(つまり金剛総監の考え方)で使うのであれば九泉草はそれほど悪いものでは無かったのではないか……と思ってしまっています。

言うなれば安楽死用の薬(毒)のようなもの、という解釈でいいんですよね。

もしああいうものが本当に史実でも開発されていたら、今頃は日本でも安楽死が認められていたのかもしれない……と思ったり。

 

 

トゥルーエンドも、『ただ「良かったなぁ」で終わらず少し切なく悲しい気持ちになりました。

哲は生き残り家族も設けていたようですが、写真へのあの語りかけ方を見るに男性陣は戦争で亡くなってしまったのかな……。

女性陣ももう居ないようでしたが、哲よりも確実に年下だと思われるすみれも居ないとなると、彼女も恐らく戦争か病気で亡くなったのでしょうね。

メインは哲たち特高なのでどうしても望月さんやすみれちゃんについては陰が薄くなってしまいがちでしたし、彼女たちのその後についてもあまり深く触れられませんでしたが、時代背景が史実とそう変わらないのであればきっと望月さんのお姉さんやすみれちゃんのお母さんも助かることはなかったのだろうな……。

結核が不治の病ではなくなったのっていつくらいからでしたっけ、確か終戦後ですよね……?

望月さんのお姉さんのほうは精神病ですが、この頃の時代の精神的な病はふと改善するようなことはあったのかな)

そう考えると、彼女たちの事をあれ以上深く掘り下げたところで悲しい現実が待っているだけだったのかもしれませんね。

 

せめて離れ離れになる前の彼ら彼女らが幸せだったならいいな。

喪った友達たちの事を想う哲の言葉が平和になった現代日本の夏の情景にじわりと滲むエピローグ

思っていたよりも心に突き刺さって、ずっと忘れられそうにないです。

 

イラストと全体の雰囲気がとっても好みな作品でした。

おまけ要素のカードはまだ殆ど集まっていないので、また時間を見つけて集めて楽しみたいと思います。